アラカン"BOKU"のITな日常

文系システムエンジニアの”BOKU”が勉強したこと、経験したこと、日々思うことを書いてます。

EXCEL方眼紙は悪か否かという問いかけは無意味!まさに問い方のマジックの典型だな・・。

Excelワークシートのセルを使って複雑なレイアウトを実現することが「Excel方眼紙」と呼ばれていること。 

ちょっと、自分でも信じがたいですけど、知りませんでした。 

だから、その方法が悪だとか、撲滅すべしだとか言われてたのも知らず、その是非を議論する公開討論会が行われたことも知りませんでした。

www.publickey1.jp

 

公開討論会はグレープシティのプロモーションとして考えれば、とても面白いです。 

なんですが。 

EXCEL方眼紙は善か悪か? 

そういう問いかけ自体はねえ・・は全く無意味だと思います。

 

これこそ、まさに問い方のマジックじゃないか

 

哲学者の 苫野 一徳さんが「問い方のマジック」と表現されている「人をあざむく方法」があります。

www.webchikuma.jp

 

ポイントを引用します。

「問い方のマジック」、それはいわゆる二項対立的な問いのことだ。

~(中略)~

でも、これは文字通り“マジック”なのだ。この世に、あちらとこちら、どちらかが絶対に正しいなんてことはほとんどない。とりわけ、意味や価値に関することについてはそうだ。にもかかわらず、「問い方のマジック」は、まるでどちらかが正しい答えであるかのように人をあざむく。そして、僕たちの思考を誤った方向へと向かわせてしまうのだ。

 

EXCEL方眼紙の話もまさしくこれですね。 

EXCELの利用法のひとつでしかなく、何をやりたいかによって、利用法が適切か不適切かは決まります。

EXCEL方眼紙が悪か否か?なんて問いに、絶対に正しい答えなんかあるわけがないわけですから。

 確かに。

データの再利用を目的とするには不適切な利用法です。 

でも、その点だけをとりあげて「EXCEL方眼紙は正しくない」とか「悪だ」みたいに言うのは、まさに「問い方のマジック」です。

 

だってEXCEL方眼紙でないとできないことがあるのだから

 

EXCEL方眼紙と呼ばれている利用法でないとできない事があります。 

それは、日本のお役所に提出する超複雑な書類の作成です。 

例えば、こんなやつ。

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今の日本では、こういう複雑な申告書とかを節目節目に大量に提出しないと業務が行えない現実があるんです。 

少しなら手書きでいいですが、毎回数十枚単位だと手書きでは業務がまわりません。 

帳票出力システムを作れば良いのですが。

開発すると、1帳票あたりで安くて数十万円、高ければ百万・二百万とられます。 

しかも、毎年のように微妙にフォーマットが変わるので、その都度修正にまた数十万円です。 

種類が少なければ良いですが、下手をすると、お役所の書類は同じ届け出でも理由や用途によって微妙にレイアウトが違ったりして、下手をすると何百種類もあったりします。 

そんなコストを認めてくれる会社なんかありません。 

じゃあ、差し込み印刷とかでやれないか?とか思うのですが、上記のような複雑な帳票レイアウトをWORDで作れる人がいたら、それは相当のマゾヒストです。 

あのレイアウトを現実的なコストで再現できるのは「EXCEL方眼紙」だけなのです。 

実際、お役所自身がEXCELで作ったフォーマットをダウンロードできるようにしてくれているところもありますしね。 

EXCELで作っておけば、ある程度の枚数ならシステムから出力した一覧データのCSVとかを貼り付けて、関数だけでも該当箇所に表示して、提出用に印刷するフォーマットとかは簡単につくれます。 

五十枚とか百枚単位でもファイルをわければ対応できますし、ちょっと凝ってVBA使って簡単なマクロを組めば、より便利にできます。 

正直、ここで求められているのは「手書きの手間を減らして印刷する」だけです。 

再利用なんかできなくても全く困らないし、いらなくなったら捨てるだけです。 

少なくとも、追加コストがかけられない状況で、書類の手作成をへらす。 

この用途でEXCELを代替できるものはありません。

 

外国で不評なのは、日本のお役所みたいな書類がないからだ

 

自分も状況によっては「EXCEL方眼紙」は使います。 

そういう呼び方を知らなかっただけで、利用方法としては知ってましたから。 

もちろん、乱用はしませんよ。 

コストがかけられず、かつ、手作業にすると全体の業務効率に問題が残るという状況を解決する選択肢のひとつとして、そういう引き出しももってますというレベルです。 

自分は外国人と仕事をしたことがあって、彼ら彼女らの前で、この手法を使ったこともあります。 

だから、こういう使い方のことを、彼ら彼女らが「信じられない」とか「おかしい」というのも知ってます。 

でも、当然です。 

だって、外国には日本のお役所みたいに「なんでもかんでも複雑な書類の提出を強制する組織」はありませんもの。 

自分が知るかぎり、海外の書類のフォーマットはWORDでも簡単につくれるようなシンプルなものしかありません。 

だから何故こうしたのかを説明して、理解したら最後は「ナイス!」って言ってましたし、自分も機会があれば使ってみようとか言ってました。 

とにかくです。 

EXCEL方眼紙がどうのこうのではなく、本来は、日本のお役所の不必要に複雑な書類の多さのほうを問題にすべきなのです。 

日本の事務処理の効率が悪いとしたら、原因の大半は、作成に不必要な手間がかかるようなお役所の書類が原因である比率は相当高いはずですよ。 

お役所の文書主義とか複雑な帳票好きのおかげで、一体年間どのくらいのコストが無駄に使われているかを誰か計算してくれないかな。 

たぶん、最低でも数百億円レベルの無駄が発生しているとおもうんですけどね。 

うん。