アラカン"BOKU"のITな日常

文系システムエンジニアの”BOKU”が勉強したこと、経験したこと、日々思うことを書いてます。

過学習抑制目的のWeight DecayとはSGDを組み合わせるのが良いみたい/使い方35/Neural Network Console

Neural Network ConsoleのConfigタブのOptimizerのところに、Weight Decayという項目があります。 

リファレンスを見てみると、一応説明はあるのですが・・

support.dl.sony.com

 

書いてあるのはたったの2行。

4 Weight Decay(L2正則化)の強度を設定するにはWeight DecayにWeight Decayの係数を指定します。

これでわかるのは、元々知ってる人だけだな・・。 

ということで、ちょっと番外編的ですが、今回はWeight Decayをテーマにします。

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Weight Decayは過学習を抑制するための手法です

 

Weight Decay は直訳すると「荷重減衰」みたいな感じになります。 

目的としては「過学習」の抑制です。 

過学習というのは、学習(訓練)データに適合しすぎて、学習(訓練)データと異なるデータでの正解率が低くなってしまうことです。 

そもそも、ニューラルネットワークの学習は、損失関数(レイヤーでいうとCategoricalCrossEntropyとか)で、どの位正解と差があるかを求めて、その差異が小さくなる様、逆上って(逆伝播)重みやバイアスの値を更新していくわけです。 

その過程で、損失関数の値に、なんらかの値をペナルティとして加算してやると、過学習を抑制する効果があるということが、数学的には証明できるみたいなんですね。 

じゃあ、そのなんらかの値は何か。 

いくつか方法はあるみたいですが、よく使われているのが「重みの各要素の二乗を足し合わせたもの」に任意の係数をかけ合わせたものです。 

この「重みの各要素の二乗を足し合わせたもの」をペナルティに使う方法を「L2ノルム正規化=L2正規化」と呼ぶのですね。 

そして、この方法で過学習を抑制することを、Weight Decayと呼び、Configタグで指定するのは上記でいう「任意の係数」であります・・。 

とまあ、こんな感じで理解しとけば良いのではないでしょうか。 

数式で理解したい方は、L2ノルム正規化などでググれば、たぶんいくらでも情報がでてくると思いますので、そちらでどうぞ(笑)

 

とはいえ、どんな数値を指定すればよいのだろうか?

 

ここが悩ましいところです。 

一概に、この数値にしておけば、なんでもOK!みたいな数値はありません。 

正直、とりあえずデフォルトを設定しておいて、あとは試行錯誤でつめていくしかないのですね。 

本格的にやるなら、ベイズ最適化などハイパーパラメータの自動最適化の手法はいろいろあるみたいですが、趣味でやってる人間にとっては大げさです。

qiita.com

 

正直、書籍とかによっても、この係数についてはバラバラです。 

0.1くらいを設定・・という人もあれば、0.0000001位が最適だったなんて人もいる。 

仕方ないので、ちょこちょこ試しながら、様子を見てます。 

その結果。 

自分は、Neural Network Consoleでやる場合は「0.0001」から始めることが、最近は多いです。 

経験的にベストでないにしても、割合ベターな結果が期待できる感じなので。 

ご参考になれば。

 

Weight Decayは、OptimizerのAdamと相性がよくない

 

Neural Network ConsoleのOptimizerのデフォルトは「Adam」です。 

基本、Adamは収束が速く、とりあえず選択して問題がないOptimizerです。

arakan-pgm-ai.hatenablog.com

 

でも、「学習データと異なるデータでの正解率をあげる=汎化」目的で、Weight Decayを使うときには、Adamはベストチョイスといえなくなります。 

こちらのTweetに貼ってあるリンク(論文のPDF)にその理由が説明されています。

簡単に言うなら、Weight Decayの係数を0以外に変更しても、Adamを使っている限り、過学習の傾向があまり改善しないのです。

 

論より証拠でやってみる。まず「Adam」で。

 

学習した結果が、こういうグラフになっているCNNのネットワークを題材にします。 

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Traiingエラー(赤の実線)がきれいに収束しているのに、Validationエラー(赤の点線)が途中から逆に増加して、どんどん離れていってます。 

もう、典型的な過学習の状態です。 

なので、評価した結果のAccuracyも「97.65%」と、かなり低めです。

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ここに、OptimizerはAdamのままで、Weight Decayの係数を「0.0001」にしてみます。

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 結果はどうかというと、改善はされます。 

でも、形的にあまり変わりませんし、過学習の傾向は残ったままです。

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今度は「Sgd」に変更してやってみる

 

OptimizerのUpdaterを「sgd」に変更してみます。

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 それ以外はまったく同じです。 

そうすると学習結果のグラフの形が劇的に変わります。

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traiingエラーとValidationエラーの差がほぼありません。 

かなりいい感じで汎化できていると期待できます。 

ただ、残念ながら「SGDは収束が遅い」ので、50epochでは収束しきっていません。 

この時点で評価したら、Accuracyは97%前半しかいきません。 

ちょっと悔しいので、epoch数を増やして再チャレンジして、最終的にはここまでいきました。

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ま・・、元々のネットワーク構成がよろしくないのか、いまいちですけど。

 

特徴を理解して状況で使い分ける感じですかね

 

まとめると。 

Weight decayの値を0以外(例えば 0.0001等)にすると、L2正規化が働いて、過学習の抑制効果があります。 

ただ、Optimizerタブで「Adam」を選択していると、相性の問題で、あまり効果がありません。 

そこを「sgd」に変更すると、Weight decayの汎化効果が最大限に発揮されますが、今度は収束が遅くなるので、Max Epochの数を増やすなどの対応が必要になります。 

結局、状況で「今、どちらに重点をおくべきか」で、どちらを選択するかを判断しないといけないということですね。 

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