脳を模倣したコンピュータチップ
IBMが、脳を模倣したコンピュータチップを作りました。
2014年~2015年位に、ひそかに話題になった「TrueNorth」がそれです。
TrueNorthがどんなチップかについて、説明している部分を引用します。
TrueNorthチップは、IBMのチップとしては最大となる54億のトランジスタを使用しており、プログラム可能な100万個のニューロンとプログラム可能な2億5600万個のシナプスを備えている。
1000億個のニューロンと100兆~150兆個のシナプスを持つ人間の脳には遠く及ばないが、たとえば事前に津波警報を発令する、石油漏れを監視する、あるいは海洋航路の規則を執行するといったデバイスを稼働させるには十分だとModha氏は言う。
それがすべて、わずか70mWという補聴器ほどの電力消費で実行される。
まだ、人間の脳には遠くおよばないとしても、こういうことも書かれてます。
Doherty氏によれば、TrueNorthの主な有用性は人間や動物とほとんど同じように自律的に物事を理解できるという点にあり、それゆえコンピューティングを根本的に変える可能性がある
このIBMのチップは「神経細胞に似た100万個の極小ユニットが、2億⑤000万個の人工シナプスで結合されている」という、まさしく、脳を模したチップです。
こういうのを、個人的には「進歩」だと喜んでいいのか?と疑問です。
特に、「自律的に物事を理解できる」なんて、なんでそんなことをさせようとするのか意味が分かりません。
かなり恐ろしいんですけど・・
人工知能(AI)が囲碁のチャンピオンに勝とうと、監視カメラの画像から監視対象の人物を瞬時に見つけ出すことができようと、しょせん、特定分野に特化しての話です。
そのレベルにとどまる限り、人工知能は「道具」であり、最終的には人間が使うものとしての位置づけは動きません。
ところが。
このニューロチップ「TrueNorth」に関しては、この論法が通用できません。
なんといっても「人間の脳を模倣したプロセッサ」です。
今は、まだまだ規模的に小さなものです。
TrueNorthの100万に対して、人間の脳は1000億ですからね。
でも、ここからの進化がこわいです。
が進化した先にまっているのは、「バイオハザード」とか「ターミネータ」なんかにでてくる「人を支配しようとするコンピュータ」になる可能性かもしれないわけです。
恐ろしいことこの上ないです。
だから。
個人的には「マジで、失敗してくれないかな・・」と思っています(笑)
着々と応用事例がでてきてるみたいではあります
ところが。
進化はとまっていなくて、いろいろ応用事例もでてきてるみたいです。
ちなみに、「SyNAPS」というのはIBMが脳を模倣して開発しているニューロチップの総称です。
その第二世代の商品名が「TrueNorth」というみたいです。
今のところ、このあたりの名称が統一されているとはいえず、資料によって「脳型コンピュータ」「脳型SLI」「ニューロコンピューター」「ニューロシナプティック・チップ」「ニューロコグニティブ・コンピューター」などなどいろいろあります。
IBM以外にも、このタイプのチップを研究する企業もでてきてます。
TrueNorth自体もガンガン進歩をしているみたいです。
こちらから引用すると。
TrueNorthは、この数年で急激に規模を拡大しネズミの脳のレベルに達していると言われています。このチップは330mW以下の電力で1秒間に2600枚の画像認識することに成功しました。
従来のアーキテクチャーでは不可能な性能と省エネルギーです。TrueNorthが進歩を続ければ、いずれ人間の脳と同じレベルに達するかもしれません。
現在のノイマン型コンピュータで挑戦するよりもはるかに可能性は高いと感じますが、人間の脳は1000億のニューロンと100兆のシナプスが活動しています。このレベルに到達するにはまだまだ時間がかかりそうです。
ああ。
もう「ネズミの脳」レベルまでいってるんですね。
まだまだ、時間がかかりそうですって書かれてますが、どうなんですかね。
全然わくわくしませんし。
ただ、怖いです。
2020/05/03追記
この記事は2018/10/21時点で書いてます。
この後も、ちょこちょこと情報収集をしてはいますが、IBM TrueNorth他ニューロチップ関連の話題は2019年以降は、少々下火になっている感じはします。
個人的には、ちょっと安心です(笑)