日本の採用試験は、面接を重視します。
面接で質問される、よくある質問。
例えば。
あなたの強みはなんですか?
あなたの弱みはなんですか?
などなど。
自分も何回答えたかわからないくらい・・どこの会社の面接をうけても聞かれました。
まあ、受ける側とすれば、試験によくでる想定問題みたいなもので、事前に考えておけるから楽です。
逆に言えば「質問しても意味がない?」という疑問はありますけどね。
金太郎あめみたいな受け答えが増えたのです
それがわかっていたのに。
意味ないなと思ってたのに。
自分が面接官の立場になったら、同じ質問をしてました。(笑)
理由は楽だから。
人事部ではなく、現場の管理職が面接をしていたので、正直、仕事の片手間です。
ちゃんと質問を考える時間なんかないのですよ。
でも、最近は、さらにひどくなってました。
何人に面接しても皆答え方が同じなんですね。
ノウハウ本なんかの影響なんですかね。
冷静になって客観的に見れば、これってひどい話です。
だって、面接を受ける側が「自分本来の姿を隠して、よく見せようとしている」わけで、言葉を変えれば、「企業を騙して採用されてしまえば、あとはこっちのもの」みたいに考えているとも言えるわけですから。
そうすると、面接官はその嘘を見抜いて騙されないようにしなきゃいけない。
対して。
受ける側の立場になってみると。
ひょっとしたら、会社側が実情を隠して、社員を採用しようとしてるかもしれない。
そこを見抜いて騙されないようにしないといけない。
実に不毛な騙しあいです。
それで、採用されるにせよ、されないにせよ、根拠は、面接をした人の「人を見る目」という、実にアバウトな感覚に依存しているだけかもしれない。
これって意味あるのかな?
そう思ってました。
さすがグーグルとしか言いようがないな
そしたら、「こういうやり方の面接は、ほぼ意味がない。」と言い切っている本に出会いました。
グーグルのラズロ・ボック氏の著書「ワーク・ルールズ」です。
意味がないとする理由は2つ。
- フランク・シュミットとジョン・ハンターの研究・分析によって、そのような面接(非構造化面接)は、採用された後にどのくらいの業績をあげるかを予測するには不向き(約14%しか説明できない)であるということがわかっていること。
- トレド大学の研究でそのような面接の結果は、面接者が最初の10秒で得た印象を確証するために99.4%の時間が使われているにすぎない(=最初の10秒で結果は予測できる)ということ。
うーん。
わかったような、わからんような・・・。
でも、自分がうすうす感じていたこととの一致はある気がします。
なにより、ロジカルに説明しながら言い切れるところ。
さすがグーグル。
きっと、意味がないんだろうと考えさせる説得力はありますね。
今のやり方は意味がない。
じゃあ、どうしたらいいんだ・・ということですが。
ワークルールズによると、ある人の職務能力を予測するための最善の指標は次の3つだそうです。
- ワークサンプリングテスト
- 一般認識能力テスト
- 構造化面接
ワークサンプリングテストは、採用後に担当する職務に似た仕事をサンプルとして与えて、出来栄えを評価する。
一般認識能力テストは、IQテストと同じようなことを明らかにする。
構造化面接は、事前に回答の質を評価する明確な基準を備えた一連の質問を用意して、それに答えさせる形で面接する。
うーん。
こうやって並べると、前記の3つの方法は、直感的に、効果がありそうな感じはします。
特に、ワークサンプルテストなんて、即戦力狙いの中途入社者の面接には、まさに、うってつけじゃないですか。
でも、まだ日本ではあまり聞かないですし、たぶん、この先もそうでしょう。
なぜ、そう思うか・・と聞かれても。
日本だから・・としか答えられないんですけど(笑)