ニア過労死・・的な体験をして、人生観が変わった。
そんな思い出の話です。
当時。
とあるデスマーチプロジェクトの火消しを担当してました。
通勤時間も惜しいと、単身で会社にアパート借りてもらうという、ひたすら仕事に集中せざるをえない環境でした。
深夜残業当たり前で、時々徹夜。
ほぼ、まるまる1月休み無し。
1週間のほとんどを、会社のソファで寝て、アパートにも滅多に帰れない。
そんな状況でした。
管理職だったので残業手当はありませんが、残業時間が200時間越えどころか、300時間に近いかも・・・みたいな・・もう、無茶苦茶です。
それでも、不思議なもんで元気でした。
アドレナリンが出まくっていたんでしょうね。
そんなことを数ケ月続けてたある日。
客先に行く日だったので、シャワーを浴びて、まともな服装に着替えなきゃいけないと、アパートに戻ろうと歩いていました。
別にふらふらしてたわけではありません。
多少、体はだるいけど、その程度。
元気いっぱいのつもりでした。
でも。
歩いている最中に、一瞬、目の前が白くなる感覚がしたのです。
もう、唐突に「ふっ」と。
気がつくと、目の前の風景が変わってました。
何が起きたかわからなくて、ボーゼンとしてたのですが、気をとりなおして、周囲を見渡すと、さっき自分の歩いていたはずの場所が後ろに見えます。
20メートル位すすんだ場所にいたんです。
テレポーテーションしたような感覚です。
その間には自動車の通る道路があります。
どうも、歩いている最中に瞬間的に眠って、そのまま歩いて道路を渡ってしまった。
そういうことらしいと気づいたら、膝がガクガクと震えてしばらく歩けませんでした。
だって、自動車が走ってきてたら・・。
間違いなく死んでました。
たまたま、早朝で自動車も走ってなかったから助かりましたけど。
後で知ったのですが、マイクロスリープって状態だったみたいですね。
自分は運がよかったです。
運の悪い人なら、ここで死んでるんだろうな・・。
そう思うと、いろんなことが、一気にどうでもよくなりました。
スケジュールが遅れている?・・それがどうした。
偉いさんの顔がつぶれる?・・知らねーよ!
売上がどうのとか、プロジェクトの利益がどうとか・・だから何?
ってな感じです。
別に誰かの命がかかってるわけじゃない。
最初から無理を承知でやっていて、手抜きしてたわけじゃないですから。
整理しなおして、現在の体制で可能なスケジュールに引き直して仕切り直し。
それしかないでしょ・・現実的には・・って感じです。
もちろん。
突然、態度を変えたので、客先や会社から、ボロクソ言われました。
お前には仕事に対する責任感はないのか!とか・・(笑)
客先から呼び出されて脅しをかけられたりもしました・・けど。
命と引き換えにしないといけないような「責任感」なんかクソクラエだと、開き直れたおかげで、自分は今、元気に健康に生きてます。
まあ。
気持ちの持ちようが変わったからといって、デスマーチプロジェクトから逃れられたわけではないですけど、人生観が変わるような、でっかい経験ではありました。
拾った命は大切にしないとなあ・・。
今は、もう、それだけです。