親族に成年後見人をつけたい。でも、司法書士に頼むとお金がかかる。自分で手続きできないかな?・・と悩んでいる方向けの記事です。
僕の親戚が司法書士から20万円かかると言われて、僕に「金がない」と泣きついてきたので、仕方なくやった時の記録です。2017年なので、その時点の情報です。
成年後見人自体がよくわからない方は以下リンクで確認ください。
成年後見人の手続きには時間がかかります。僕の時は、申し立てから成年後見人の選任まで半年かかりました。以後、やった手続きを順番に書いていきます。
1.後見の申し立てに必要な書式を手に入れる
管轄の裁判所を調べます。裁判所の管轄はここで調べられます。www.courts.go.jp
僕の時は、管轄の家庭裁判所のHPから申立の書式をダウンロードできました。全国でフォーマットが統一されてはいません。裁判所によって書式の名前も構成も違うようです。必ず提出する家庭裁判所の書式をダウンロードします。
今回の構成は以下でした。
- 申立書
- 本人の事情を説明する書式
- 後見人候補者の事情を説明する書式
- 財産目録
- 収支状況報告
- 成年後見申し立てチェックシート
もちろん、管轄の家庭裁判所によって書式の名前も異なる可能性はあります。
2.書類作成から提出
書類作成から提出にいたる段階です。
- 申立書申立書を記入する
- 財産目録と収支状況報告を記入する。
- 書式一式を提出する。
2-1.申立書を記入する
この段階で必要なのは以下の3つです。
- 医師の診断書(被後見人の状態)取得と、鑑定依頼および料金の確認
- 同意書を集める
- 申立書の記入と交付申請に必要な資料を集める
2-1-1.医師の診断書(被後見人の状態)取得と、鑑定依頼および料金の確認
まず、被後見人(認知症になっている方・・)の主治医にお願いにいきます。
一つ目が診断書の発行です。本人がどの程度判断能力や責任能力がなくなっているかの診断書です。診断書を発行してから約3ケ月以内が家庭裁判所に申立書を提出する期限です。
二つ目に「鑑定を担当する医師」になってもらう了承をとることです。家庭裁判所で審査する際、被後見人について医師による鑑定を家庭裁判所が指示する場合があります。
三つ目に、鑑定料について了承をとっておきます。鑑定料は「10万円を上限にして・・」などの縛りはあるものの、基本的に鑑定を行う医師が「この金額でやります」と決めればよいみたいです。
2-1-2.同意書を集める
推定相続人の範囲で同意書をそろえます。「被後見人○○に対して、成年後見人候補者○○を立てる手続きをする」ことについての同意書です。
これが時間がかかります。ややこしい親戚がいると猶更です。可能なら、早めに手をうっておくほうがよいです。
2-1-3.申立書の記入と交付申請に必要な資料を集める
申立書を書くのに、事前に集めておく必要のあるものは・・。
- 申立人の戸籍謄本 1通
- 本人の戸籍謄本 2通
- 本人の住民票 1通
- 候補者の住民票 1通
- 本人の履歴書的なもの(学歴・職歴がわかるもの)
- 候補者の履歴書的なもの(学歴・職歴がわかるもの)
です。
申立人は、申立書を作成して家庭裁判所に提出する人です。 本人は被後見者・・つまり、認知症になっている人・・です。 候補者は成年後見人になる候補者をこちらで指定する場合のみ必要です。「裁判所の選任する第三者を希望」として、候補者を指定しない場合はいりません。
申立書自体は記入サンプルを見れば書けます。上記の資料が揃っていれば・・ですが。
2-2.財産目録と収支状況報告を記入する
財産目録と収支状況報告作成の作成の手順です。
2-2-1.記入に必要な資料を集める
基本月末時点で集める必要があります。主に集めるのはこんな資料。
- 預貯金通帳、預貯金証書
- 株式、有価証券、投資信託等の取引明細書等
- 保険証書、保険料の領収書等
- 不動産登記簿謄本または全部事項証明書(原本)
- 固定資産評価証明書(原本)
- 負債額を証明できる資料
- 遺産額を証明できる資料
- 年金額・給与支給額などを証明できる資料
- 入院費、施設費、介護費に関する証明資料
- 生活費に関する資料(水道光熱費の領収書など)
- 税金(固定資産税など含む)・社会保険料等の支払証明資料
- 上記以外のその他の支出に関する資料
上記で(原本)と書いてあるもの以外はコピーで良いです。銀行の通帳などは、1年間にわたって打刻しないといけません。
領収書も固定的に支出しているものは絶対に必要です。 食費とか一時的に支出しているものもあった方が良いです。ただ、多少領収書が欠落していても、それでダメということはありませんでした。
2-2-2.財産目録や収支状況報告を記入する
財産目録や収支状況報告は、本人のみについて書きます。家計が同一であっても本人分とそれ以外(扶養費として記入)にわけてかきます。ここを間違えると、裁判所で指摘されて修正を指示されます。
2-2-3.登記されていないことの証明書を取得する
登記されていないことの証明書(本人について)を取り寄せます。東京法務局に申請して送付してもらう必要があります。 取り寄せるのに、1週間程度はかかります。
2-3.書式一式を提出する
提出するために郵便切手と収入印紙を購入します。 今回は、収入印紙で「3400円」、郵便切手で「3400円」を購入して同封する必要がありました。
申し立て手順の資料には、上記以外に鑑定料を持参することとあります。これは医師にもよりますけど、約10万円という結構な金額なので、問い合わせました。そしたら、「法律で鑑定を行うように規定されているが、実際にはよほどのことがないとやりません。だから、申し立て時に鑑定料を持参しなくても大丈夫です」と言われました。 このあたり、資料と実際の手順が違ったので要注意です。
3.書類受理時の面接
申立書を受理してもらう時に面接を受けます。裁判所で成年後見人の受理面接を受け付ける日が決まっています。
予約が必要です。書類一式は、受理面接の予定日の1週間前までに届くよう送ります。受理面接は僕の時は1時間くらいでした。 こちらで後見人候補者を用意する場合は同行してもらいます。候補者への面接も一度ですませられるので効率的だからです。 裁判所の選任する第三者を希望する場合は不要です。
書類一式は受取確認付きのレターパックみたいなものを使った方が良いと思います。ここまでで申請手続きは完了しました。
3-1.裁判所で申立書の受理面接を受ける
僕の場合は、調査官と補佐の人の2名から提出した申告書に記載した内容について質問を受けました。

まず、本人確認からはいります。運転免許証等の本人証明できるものが必要です。それから、質問を受けます。 調査官や補佐の人の手持ち資料には、提出した書類がきっちりとファイルされ付箋が大量に貼られていました。書き込みもいっぱいされていました。書類にミスがあるとここで大変なことになるのは間違いないと感じました。この面接でOKになれば、成年後見人を指定いただけます。
4.後見人はプロに頼むべき理由
僕の場合、成年後見人は「裁判所の選任する第三者を希望」にしました。結果的に、これでよかったと僕は思っています。理由は大きく2つです。
ひとつは、手続き中の大変さが違うことです。後見人候補者を指定した場合は、候補者についても審査されます。候補者が成年後見人に必要な事務処理を問題なくこなせる能力を持っているかどうかを図るためです。親族を候補者にするとより大変です。四親等内の親族であることを戸籍で証明する必要があります。甥とか姪だと数通の戸籍謄本を取得してつなぎあわせる必要があります。取得に委任状が必要な範囲があったり、かなり面倒です。
もうひとつは、被後見人本人がなくなった後の手続きが助かるからです。本人が亡くなると遺族年金の手続きとか、たくさんの手続きが必要になります。これを素人がやるるとかなり面倒です。僕の場合は司法書士さんを選任してもらったので、そこがスムースにできて本当に助かりました。
こんなもんですかね。ではでは。