ひょんなことで、統計の復習をしてみようと思い、何かネタになるデータを探してみたら、偶然に警察庁の自殺者数データを見つけてしまいました。
警察の自殺者数データの速報値
こういうサイトです。
統計資料(概況)の元になるEXCELの資料は、速報値の間しかありません。
月度ペースで更新されているようです。
このブログを書いている時期は、2017年12月度までになってました。
2018/09/12追記
>ちなみに、今は2018年8月度までの速報になってます。
興味にまかせて、勉強したての知識を使って加工してみました。
都道府県別の月別平均自殺者数のヒストグラム
まず、都道府県別の月別平均自殺者数を19人刻みで階級を作ります。
それで、階級値と度数、相対度数、累積相対度数の表にして、ヒストグラムを書いてみました。
階級 | 階級値 | 度数 | 相対度数 | 累積相対度数 |
0~19 | 9.5 | 18 | 0.383 | 0.383 |
20~39 | 29.5 | 18 | 0.383 | 0.766 |
40~59 | 49.5 | 2 | 0.043 | 0.809 |
60~79 | 69.5 | 1 | 0.021 | 0.83 |
80~99 | 89.5 | 6 | 0.128 | 0.958 |
100~119 | 109.5 | 1 | 0.021 | 0.979 |
120~139 | 129.5 | 0 | 0 | 0.979 |
140~159 | 149.5 | 0 | 0 | 0.979 |
160~179 | 169.5 | 1 | 0.021 | 1 |
都道府県別なんですけど、月平均で0人~19人、20人~39人のレンジにかなり偏ってます。
都道府県別月平均自殺者人数のランキング
これを明細で、多い順に並べるとこんな感じになります。
順位 | 都道府県 | 月平均人数 |
---|---|---|
1 | 東 京 | 179 |
2 | 神奈川 | 105 |
3 | 大 阪 | 97 |
4 | 愛 知 | 96 |
5 | 埼 玉 | 95 |
6 | 北海道 | 83 |
7 | 千 葉 | 82 |
8 | 兵 庫 | 81 |
9 | 福 岡 | 73 |
10 | 静 岡 | 55 |
11 | 茨 城 | 41 |
12 | 新 潟 | 39 |
13 | 広 島 | 39 |
14 | 宮 城 | 35 |
15 | 栃 木 | 33 |
16 | 福 島 | 32 |
17 | 群 馬 | 31 |
18 | 京 都 | 31 |
19 | 岐 阜 | 30 |
20 | 長 野 | 29 |
21 | 三 重 | 28 |
22 | 鹿児島 | 25 |
23 | 青 森 | 24 |
24 | 愛 媛 | 24 |
25 | 熊 本 | 24 |
26 | 岩 手 | 23 |
27 | 岡 山 | 23 |
28 | 秋 田 | 20 |
29 | 沖 縄 | 20 |
30 | 滋 賀 | 19 |
31 | 山 口 | 19 |
32 | 長 崎 | 19 |
33 | 山 形 | 18 |
34 | 富 山 | 18 |
35 | 大 分 | 18 |
36 | 石 川 | 17 |
37 | 宮 崎 | 17 |
38 | 奈 良 | 16 |
39 | 和歌山 | 16 |
40 | 山 梨 | 15 |
41 | 香 川 | 13 |
42 | 福 井 | 11 |
43 | 佐 賀 | 11 |
44 | 島 根 | 10 |
45 | 徳 島 | 10 |
46 | 高 知 | 10 |
47 | 鳥 取 | 8 |
これで見ると、やっぱり東京・神奈川・大阪・愛知って多いなあ。
都会はストレスがかかるんだなあ・・なんて、ふと、思ってしまうのですけど。
人口一人当たりの自殺者数でまとめなおす
でも、よーーく考えてみれば。
人口の多いところが相対的に自殺者数が多いのは当たり前です。
それで、別のところから、H29年の1月時点の都道府県別人口のデータを見つけてきてきました。
都道府県別の自殺者一人あたり人口のランキング
これを使って、都道府県別の人口を当道府県別年間自殺者数で割って、「人口何人に一人の自殺者がいるのか」を計算してみようというわけです。
その結果を、自殺者一人あたり人口の昇順(つまり、人口一人あたりの自殺発生率が高い順)にならべてみました。
順位 | 都道府県 | 自殺者一人当人口 |
---|---|---|
1 | 秋田 | 4203 |
2 | 山梨 | 4562 |
3 | 青森 | 4613 |
4 | 岩手 | 4673 |
5 | 愛媛 | 4808 |
6 | 新潟 | 4834 |
7 | 和歌山 | 4967 |
8 | 栃木 | 4977 |
9 | 富山 | 5023 |
10 | 福島 | 5070 |
11 | 山形 | 5173 |
12 | 群馬 | 5298 |
13 | 三重 | 5320 |
14 | 宮崎 | 5358 |
15 | 北海道 | 5359 |
16 | 鹿児島 | 5479 |
17 | 大分 | 5500 |
18 | 宮城 | 5504 |
19 | 岐阜 | 5579 |
20 | 静岡 | 5602 |
21 | 兵庫 | 5659 |
22 | 石川 | 5735 |
23 | 福岡 | 5772 |
24 | 鳥取 | 5828 |
25 | 島根 | 5844 |
26 | 福井 | 5926 |
27 | 長野 | 5968 |
28 | 茨城 | 5975 |
29 | 広島 | 5996 |
30 | 沖縄 | 6005 |
31 | 山口 | 6009 |
32 | 高知 | 6022 |
33 | 東京 | 6078 |
34 | 佐賀 | 6079 |
35 | 長崎 | 6087 |
36 | 滋賀 | 6146 |
37 | 徳島 | 6169 |
38 | 香川 | 6208 |
39 | 熊本 | 6225 |
40 | 千葉 | 6247 |
41 | 埼玉 | 6283 |
42 | 愛知 | 6355 |
43 | 京都 | 6834 |
44 | 岡山 | 7025 |
45 | 神奈川 | 7141 |
46 | 奈良 | 7320 |
47 | 大阪 | 7409 |
なんと!
数だけだと上位だった都会が軒並み下の方にいます。
上位を見ると、秋田、山梨、青森、岩手・・と、イメージ的には都会のストレスから逃れていく先・・と思っていた県になってます。
原因は何なんだろう?とか、色々考えさせられました。
変動係数を計算する
統計的にも考察してみるため、変動係数(標準偏差 ÷ 平均)を計算してみます。
変動係数(CV)は、単位の異なるデータのばらつきや、平均値に対するデータとばらつきの関係を相対的に評価する際に用いる単位を持たない(=無次元の)数値です。
単純に人数を比較する場合と、自殺者一人あたり人口だとバラつきを計算する単位(人数)に差があるので、都道府県別にどれくらい散らばり具合に差があるのかな?を見てみたかったからです。
まあ。
統計は勉強中なので、この使い方が適切か・・と突き詰められると、ちょっと困るんですけどね。
さて。
計算結果です。
単純な人数の比較だと変動係数は、約0.90 くらい。
自殺者一人あたり人口だと、変動係数は約0.12くらい。
整理すると。
自殺者を単純に見ると都道府県による変動が大きく、都会ほど多い・・みたいに見えてしまいます。
でも。
自殺者一人当たりの人口で見ると、都道府県毎の変動はあまりありません。
かつ、人口あたりの自殺率でみると都会は相対的に低い。
そんな傾向が見えてきます。
東北地方の自殺率が高いのは有名な話みたいです
うーーん。
色々と考えさせられる数字ですね。
それでちょっと調べてみました。
そうしたら。
以前から東北地方の自殺率が高いのは、何度か話題になっている話みたいです。
自分が気づいて驚いているのも、なんか今さら・・の話みたいです。
それでもですね。
昨日まで知らなかったことを、知ることは進歩です。
昨日まで気づかなかったことに気づくのは 刺激があって楽しいです。
だから、いいかな。