ウーバーとテスラの自動運転車の死亡事故のニュース。
とうとう発生したか・・って感じです。
でも。
だから、自動運転車は危険だ・・などと言うつもりはありません。
なぜかというと、人間が運転している方が確率的に、はるかに危険ですから。
今年(2018年)2月末時点の警察の交通事故統計などを見ると、死亡事故の原因の大半は、運転手の安全義務違反だというのがよくわかります。
そのデータを元に、平成20年から平成30年2月末までの「法令違反別死亡事故件数」を合計してグラフにしてみました。
トップ3は
- 漫然運転
- 脇見運転
- 運転操作不適
です。
この3つだけで、死亡事故全体の45.1%です。
スマホをいじりながら運転してたり、おしゃべりしてたり、よそ見してたり。
そんな人間が運転する車よりは、自動運転車の方がはるかに安全です。
それでも。
死亡事故という事実は、自動運転車の開発には、相当な逆風になるでしょうけどね。
ウーバーの事故は結構不可解な要素は多いです
テスラの方の事故の詳細はあまり知りません。
でも、ウーバーの事故の方は映像をアリゾナ州テンピーの警察が公開しています。
人の目で見る限り、ロービームで走っていたところ、暗闇から突然視界に飛び出してきた人をはねたように見えます。
でも、暗くて見えない・・ってのは人間が運転してたら・・の話。
自動運転車というのは高機能なセンサーの塊のはず。
このくらいの暗さは全然関係ないはずなんですね。
なのに、センサーやレーダーが目の前を歩く歩行者を検知できなかった。
だから死亡事故がおきたわけですけど、にわかに信じられません。
原因はいろんな専門家が考察してます。
センサーの取り付け位置や数の問題とか、ソフトウエアの不具合の可能性とか。
まあ、バグのないプログラムはありませんし、どんな条件のもとでも完璧に機能するセンサーやレーダーもありえません。
悪天候で泥をかぶるかもしれないし、上からなにか落ちてきて、センサーにはりついてしまう場合だってあるわけですから。
なんかの拍子に、こういうことも起こり得る。
そういうことなんでしょう。
99.9%安全な自動運転車に乗りたいかどうか
どんなにテストを繰り返しても、100%の保証はありえない。
自分は経験的にそう思ってます。
そんな話をしてると、「でも、99.9%くらいはいくんじゃないの」という人がいます。
それでもいいんじゃないか・・ということですね。
一見すごく良さげに見えます。
でも、99.9%ってことは、1000回に1回は事故るかもしれないということです。
平成29年度末時点で、運転免許保有者は約8,225万人位いるみたい(警察庁運転免許統計)です。
1人平均年30回位運転するとしたら約24億6750万回の運転機会があります。
これが全部自動運転車になったら、年間246万回の事故・・。
これでは駄目です。
だから、自動運転車は宿命的に限りなく100%に近い(99.9999・・%)安全性を追求しないといけなくなります。
なんか、絶対安全な原子力発電所・・と同じで、絶対ゴールなんかこない気がします。
将来的に商業ベースにのらないといけないですから、無限に安全にコストをかけられるわけはありません。
どこで、経済的・政治的妥協をするかの世界になっちゃう気がしますね。
自動運転車より自動安全停止車がほしいなあ
高齢者による自動車事故はガンガン増えてます。
アクセルとブレーキ踏み間違ったとか、運転中に突然死したとか。
わき見運転・酔っ払い運転なども、相変わらずありますけど、ニュースで言ってる交通事故の原因は似通っているものが多いです。
これを聞くたびに思うのは。
これこそ今の技術なら防げるんじゃないか・・です。
運転者の状態をモニタするのは、どうなんですかね。
異常な興奮状態(パニック)になってたり。
意識をうしなうような事態になってたり。
呼気にアルコールを検出したり、前方に集中していなかったり。
あと、無謀な急減速(あおり運転とかね)みたいな異常な運転操作をしたり。
とにかく、運転者が「ちゃんと運転していない」兆候をセンサーが検知したら、運転手の操作を無視して、とりあえず、ハザードを点滅して、安全に停止できるところまで自動運転で誘導し停車する。
そんな「自動安全停止装置」がほしいです。
自動運転車よりも、切実に。
そのうえで、その機能がついている自動車以外は認めないってすればいいんじゃないかと思ったりします。
普通にやったら売れないでしょうけど。
強制にして、その機能を取り付けてない自動車に乗ってたら、即刻免許取り上げ位してもいいんじゃないかと思います。
まあ。
自動運転車よりも夢物語かもしれないですけど。