"BOKU"のITな日常

62歳・文系システムエンジニアの”BOKU”は日々勉強を楽しんでます

生活保護並の年金給付でも国家予算の半分以上を占めているという現実がある

またぞろ、ITとは全然関係ない話題なんですけど、最近騒がしい年金の話題について、自分なりに思うところを整理してみようと思います。

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年金の話題が賑やかです

 

年金の話題が賑やかです。

夫婦そろって65歳から30年間生きると、年金だけだと生活資金が総額で2000万円不足するとかなんとか・・、参議院議員選挙前だからでしょうけど、政治家のみなさんはエキサイトしてますし、マスコミも煽ってます。

おかげで、最近、年金の話題を振られる機会が増えました。

この話題は、何故か人をエキサイトさせます。

自分も例外ではなくて(笑)、そこら中でしゃべりまくったので、記憶にあるうちに、ブログにも書いとこうかな・・って感じです。

なお、書いていることは、自分なりの解釈です。

年金の仕組を解説しようとかは考えてませんのであしからず。

 

年金は、所詮「高齢者向け生活保護給付」だと思ってます

 

まず、大前提として。

年金制度は必要だけど、過度の期待をしても仕方ないもの。

これが自分のスタンスです。

年金なんて「高齢者専用生活保護給付」でしょ・・なんて、言いまくってます。

実際。

金額的にもそんなもんですから。

年金は「国民年金」と「厚生年金」部分の2階建て構造で、自営業だった人と会社や役所などに務めていた人でもらえる額が違ったり、おさめてきた保険料や期間によっても差がでたりします。

なので一概には言いづらく、平均で話をすすめます。

平成28年度の平均だと一人あたりでこんな感じです。

  • 国民年金支給額の平均が55,464円
  • 厚生年金支給額の平均が147,927円 

 これは平成29年12月に公表された「平成28年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」に載っている数字です。

 対して、生活保護給付は・・というと。

生活保護給付額は市区町村によって違うので、こちらのツールで計算します。

fuse-law.jp

東京都の60歳~64歳までの一人暮らしで計算してみると。

  • 生活保護費  64990 円
  • 住宅補助費  53700 円
  • 合計 118690 円

になります。

国民年金も制度上の支給額は約6万5000円です。

ほぼ同じですよね。

この金額を見る限り、高齢者になったら働けないけど、生活保護程度の支給は最低限保証してあげますよ・・という位置づけになっているのがわかります。

だから。

今の年金で保証されるのは「生活保護世帯程度もしくはそれ+αの生活レベル」だけであって、それより豊かに暮らしたかったら、貯金しておくか、働き続けることが必要だというのが、そもそも前提だと、自分は思うわけです。

 

2000万円不足うんぬんの話も、別に目新しい話ではないです

 

その前提にたって、今の騒ぎの元の「2000万円不足うんぬん」の話を考えてみます。

この数字をニュースで見た時、自分が最初に思ったのは「何で今更?」でした。 

何故かというと。

この金額は以前にも見たことのある数字だったからです。

かつ、その時には別に話題にも騒ぎにもなっていなかったのを知ってるからです。

その数字は、2017年(平成29年)の総務庁の家計調査年報にのっているこの図です。

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ここでいう「社会保障給付」ってのはまさに夫婦で受け取れる年金額です。

なので、この図はまさに、年金額+αだけの収入で、モデルケースにあるような支出をするならば毎月約5万5000円不足するよって意味です。

約5万5000円を65歳から95歳の30年間×12月で掛け算したら、約2000万円です。

ニュースでは「厚生労働省の試算」とか書いているものも見ましたが、これを引用したんじゃないかなと思う位ピッタリです。

なので、この資料をベースに話をすすめると、この2000万円の話はですね。

  • 生活保護程度の支給が前提の年金だけを収入とする。
  • 家計調査のモデルケース並に支出することにする。

そう仮定すると、1月で約5万5000円不足するよという試算が既存の資料があったので、それを無理やり65歳~95歳までの30年間の累計額にしてインパクトを狙ってみたら、思ってたより炎上してしまいました・・というだけの話だと自分は思ってます。 

 

生活保護並の給付でも国家予算の半分以上の総額になるのだな

 

もちろん。

生活保護給付レベルではなくて、もっと年金を給付して、それだけで安定した生活ができるようにしてくれと言う人の気持ちはわかります。

自分だって、できるならそうしてほしいです。

でも、その給付の原資を確保する方法が、自分にはわからないのですね。

だって。

今は「生活保護世帯なみの年金」しか支給していないのに、総額はとんでもないことになってますから。

平成28年度実績で約54 兆8千億円です。

前年より3000億円ほどふえたそうです。

日本の国家予算が95兆円から100兆円ちょっとです。

全部税金でまかなうなら、国家予算の半分以上が年金にもっていかれる計算です。

2019年度予算を見ても、約24兆円は国債の借金返済にあてないといけないわけですし、年金と借金返済だけで、約80兆円消えたら、完全に日本国は破産ですよね。

www.jiji.com

 

えらいことなのです。

 

既に保険料を給付が上回ってて大赤字だというシビアな現実

 

さすがに、年金の総額を全部税金でまかなっているわけじゃありません。

年金は「賦課方式」という方法をとってます。

簡単に言えば、今の年金受給者以外の人達がはらう「年金保険料」を、そのまま年金の給付にあてているということです。 

そして、年金保険料の総額が、年金の支給額を上回った時は「年金積立金」に蓄えて、それを運用で増やして将来に備えるという仕組みです。

金保険料を収入、給付額を支出、年金積立金を貯蓄と考えたら、まあ、家計と同じなので、とてもわかりやすい仕組ではあります。

でも。

悲しいかな、年金保険料が給付総額を上回るような時代はとっくに終わっています。

少子高齢化で、ささえる人がどんどん少なくなっているので当然ですね。

こちらの資料だと。

style.nikkei.com

給付総額(支出)の約55兆円に対して、保険料総額(収入)は約38億円ていどです。

年金の家計は大赤字です。

その不足分は税金と年金積立金の運用益でカバーしています。

年金積立金(貯金)は、平成17年度末の積立金は164兆円(時価ベース)あります。

仮に、年金保険料が1円もはいらなくなったとしても、3年程度は給付を続けられるくらいの金額です。

でも。

家計の貯金と一緒で、これは「万が一の不測の事態がおきても、年金給付がすぐに停止されることはないから大丈夫だ」というための根拠そのものなので、簡単に取り崩すわけにはいきません。

なので、税金で約12兆円を補填して、それでも不足する分を年金積立金の運用益を一部まわして、とりくずすことなく補填している感じみたいです。

それにしても。

約12兆円の税金って、すごい額ですよ。

国防費総額(約5兆2500億円)の倍以上ですからね。

 

支える人を増やして、もらう人を減らさないと大変なんです

 

既に大赤字で、年金給付の維持に税金での補填が必要になってしまっています。

だけど、年金をやめるわけにはいきません。

忘れてはいけないことは。

年金がなくなったら、生活できない高齢者は、すごい人数存在するということです。

だから、仮に年金給付をやめたら、そういう人達が「生活保護」へなだれ込んきます。

放置はできません。

社会がぶっ壊れてしまうので。

そうなると、今よりもっと困ったことになります。

生活保護は100%税金ですからね。

数十兆円もの額が生活保護にながれこんだら、生活保護の仕組自体が崩壊します。

というか、日本という国自体が壊れますよね。

だから。

年金はなくせない。

自分はそう理解してます。

 

官僚の人達も制約の中で工夫はしてるみたいだけど抜本的対策は難しいな

 

結局。

今の年金の仕組を維持するのがベターだけど、税金で不足分を負担しきれなくなって、年金積立金を取り崩す最悪の状況に陥る前に、年金保険料収入と年金給付額のバランスを改善しないといけない。

そういう話になってしまいます。

でも。

  • 生活が本当に維持できないくらいに給付額を引き下げることはできない。
  • 金保険料額をむやみに引き上げることもできない。
  • いきなり出生率が上がったり死亡率があがることも考え難い。
  • 外国人の移住者の受け入れだって、国民性を考えると限界がある。

などなど、なかなか抜本的な解決は難しい。

でも、なんとかしなければ・・。

そんな制約と危機感の中で色々対策がでてきています。

たとえば

  • 年金支給開始年齢をひきあげる。
  • マクロ経済スライドみたいな制度を追加して支給額を減らせる余地を残す

みたいな感じです。

それでも対処療法的な印象は消えないですけどね。 

とにかく。

年金はとても重要なテーマなので、選挙目当てのパフォーマンスじゃなくて、もっと、さすがプロの政治家だなと思えるような現実的・論理的な提案や議論を見たいし、聞きたい。

そう思っている人は自分だけじゃないと思うんですよね。

ではでは。

 

おまけ

 

厚生労働省が作っている以下のサイトは、割合、読みやすくて、内容もまとまっている良い資料だと思っています。

www.mhlw.go.jp

 

とりあえず、ご存じない方もいるかもしれないので、ご紹介だけ。