"BOKU"のITな日常

還暦越えの文系システムエンジニアの”BOKU”は新しいことが大好きです。

HRTechは人間らしく働く方向を向こうとしているのかな?

今回はHRTech関連で自分が興味をもった技術について考えたことなどです。

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HRTechの範囲はどこまでか?

 

HRTechとは・・で調べると、「“HR(Human Resource)× Technology”を意味する造語。クラウドビッグデータ解析、人工知能(AI)などを使って、採用・育成・評価・配置などの人事関連業務を行う手法」の事ですみたいな事が書いてあります。

jinjibu.jp

でも、正直ばらついてます。

HRTechを「ICT(Information and Communication Technology)を使って、人事業務を行う」ってしている資料も結構あったりします。

ICTとITはほぼ同じようなもんです。

そういう資料では、1970年~80年代から展開が始まったHRMS(HRマネジメントシステム)なんかも、初期のHRTechとして扱われています。

そうすると「採用管理システム」「人事管理システム」「給与管理システム」「就業管理システム」などの、現在も企業で稼働しているシステムは全部HRTechになってしまうわけですが・・、とりあえず、その方がややこしくないので、今回はその前提ですすめます。

 

人間らしく働くことと、会社の利益追求がならびたつ時代

 

そうすると。

HRTechの初期のころのシステムは間違いなく「会社の都合にそった」のものでした。

事務処理の効率化にしても、人事情報の管理にしても、社員の勤務状況を把握するにしても・・、すべては「会社の利益のため」という目的に集約されてましたし、あくまで目的は「社員の管理を強化する」であったり「事務処理をより少ない人数でできるようにする」ということでしたから。

でも、それはしょうがないです。

さらに言えば。

これからも、対して変わらないと思います。

企業にとって、利益をあげて生き残ることが一番大切な使命ですし、給与支払いとかの事務がなくなるわけでもないですから。 

唯一変わったのは「管理」の部分ですかね・・。

ざっくり言えば。

以前の大量生産・大量消費の時代なら「自分の頭で考えない管理しやすい人」が会社の利益にはプラスだったのですが、今は経済環境の変化で「自分の頭で考えられる人間が主体的に動く」ことが会社の利益になるようになった・・わけです。

自分は、「自分の頭で考えて主体的に働く」ことが、「人間らしく働く」ことの第一歩というか、最低条件だと考えてます。

だから。

今は、歴史上初めて「人間らしく働く」ことと、「会社の利益」が並び立つ可能性が生まれた時代だともいえると思うのですよね。

 

HRTechで「勘と経験」を客観的判断におきかえる

 

AIなどの技術進歩に従いHRTechの世界でも新しい試みが沢山あります。

その中でも、最近自分が興味を持っているのは、「勘や経験」に頼り勝ちだった「人の適性評価」の部分を、事実とデータに基づく客観的判断に置き換えていこうという取り組みです。

例えば、

  • 採用時に入社後の活躍期待度を予測するようなアプローチ
  • 社員の情報を分析して退職リスクのある社員を予測するアプローチ
  • 各社員の仕事に対する適性を客観的に評価するアプローチ
  • 感情分析などで社員の内面を見える化していこうとするアプローチ

などがあります。

正直、こういうことをコンピュータにさせることを嫌がる人(大抵は自分より年上ですが・・)もいますけど、自分は、とても良い取り組みだと思います。

結局、人の感覚にゆだねるかぎり個人差とかもあって、どんなに注意しようと、何も変わりません。

そこにテクノロジーの力で「客観的な眼」をつくりだし、それらかの情報を気づきに使って、対応は人間がきちっとやっていくというのは、将来的な人間とAIの共存のひとつの良いパターンになりえると思いますから。

 

採用時に入社後の活躍期待度を予測するようなアプローチ

 

例えば。

採用前の情報だけで、入社後の活躍期待度とか早期に退職する可能性まで予測するということで「HRアワード2019」プロフェッショナル 人材採用・雇用部門で「優秀賞」をとったこちらのソリューションとかがあります。

hr.trans-suite.jp

自社従業員と採用候補者を客観データに基づき分析するアプローチっぽいですが、着眼点が面白いなと感心してます。

一時期は、エントリーシートの分析とかをAIにさせようという流れが一気にすすみかけたように記憶してますが、アマゾンがつまづきましたからね。

blogos.com

でも、これがあったから「ダメだ」とするのではなく、コンピュータで判断させる部分と人間が判断する部分のさじ加減の問題だと考えて、すすめていくべきだというこちらの意見よりですかね・・自分は。

www.dhbr.net

 

社員の情報を分析して退職リスクのある社員を予測するアプローチ

 

これは、既に事例もあるみたいですね。

近い将来に「退職するリスクのある人」をAIに予測させて、防止策をとることで退職者を削減したこちらの取り組みは素晴らしいと思います。

www.itmedia.co.jp

人事システムで収集したデータを分析して、コンディションが悪化した従業員に対する気づきとか、退職リスクを予測して、早めに手をうとうという、カオナビと楽天が組んでやろうとしている試みもあります。

internet.watch.impress.co.jp

あと、同じように「退職リスクを予測するAI」は、勤怠データだけを分析するという思い切った絞込ながら「的中率90%」を誇っているものもあったりします。

forbesjapan.com

これは、どんどん進めてほしいですね。

もちろん、「絶対辞めさせない・・」みたいな労働問題になるような極端なことにしてはいけないのですが、自分の経験上、会社側が早めに気づいて適切なコミュニケーションをとらないがために、本当は辞めたくないのに退職に追い込まれたって人がいるのは事実ですからね。

 

各社員の仕事に対する適性を客観的に評価するアプローチ

 

これは大事だと思います。

自分にあっていない業務につかされるのは、つらいことです。

自分も人見知りで人の顔も覚えられないという営業不適格な性格なのに、見た目がそうは見えない・・というだけで、営業的要素の多い仕事をふられて苦労したりしたので、人ごととは思えません。

まだまだ、これからだとは思うのですが、適性検査の精度があがってきて、社員の配置異動時に客観的分析による業務への適性分析を活用するのが必須くらいになってもいいのかなと思います。

とりあえず、最近読んだ記事のリンクです。

www.atpress.ne.jp

aizine.ai

あと、面白いなと思うのが「不適格検査」ってのもあること。

scouter.transition.jp

 

感情分析などで社員の内面を見える化していこうとするアプローチ

 

個人的に一番、期待するのはこのアプローチです。

もともと、従来の人事評価には疑問を持ってたりしてましたから。

arakan-pgm-ai.hatenablog.com

上記で書いてる「リアルタイムの評価」ってのもそうですが、まず基本は「お互いが知ること」ですから、表面的にはわかりづらい部分とかで、AIとかのサポートをうけるのも必要なことだと思います。

そういう点で、最近注目した記事だと。 

スパイ発見機開発用の10万人分のデータを使って、カメラで映像をとって分析するなどで内面を「見える化」する京浜商事さんのシステムとか。

www.nikkei.com

実際に、その分析で表面的に問題のない部下が抱えていた内面の問題を早期に対応できたなんて事例も紹介されていたりするので、かなり実用的なレベルに仕上がっているみたいで、自分も興味津々だったりします。

あと、感情分析系のいろいろなアプローチ。

www.itmedia.co.jp

声だけで分析するものとか

webempath.net

テキストで感情分析するとか

www.itmedia.co.jp

ほんと、いろいろあります。

これらのような「IT(情報技術)に脳科学や心理学などを組み合わせ、人間の心身の成長をサポートする技術」のことを「トランスフォーマティブテクノロジー(Transformative technology)」(略して、トランステック)と呼ぶらしいです。

 

HRTechの新しい流れは「人間らしく働く」方向を向いているのか

 

使い方の問題はあります。

どんなシステムだって、他人を支配しようと考える邪悪な人間が使えば、危険な道具になる可能性はあるわけですから。

でも。

まっとうな経営者が使う前提であれば、上記に書いたようなアプローチは十分「人間らしく働く」方向を向く技術になる可能性はあるんじゃないかな・・と思ってます。

もちろん。

一歩間違えば「過度な監視」になるリスクははらんでます。

たとえば、日経新聞のこちらの記事にも例があったみたいに。

www.nikkei.com

引用すると。

「上司にのぞき込まれているようで不気味だった」。

オークランドシステムエンジニア、アダム・フロリンさんは振り返る。

18年までフリーランスで働いていたが、そこで使われていたのが遠隔監視システムだ。

マウスの動きやキーボードのタッチ数は常時計測される。

10分間に1回はシャッター音とともにパソコン画面も撮られるため、何を表示させるか気をもむ必要があった。

「見られすぎて逆に集中して働けなかった」。

自由になるため、今は企業に所属して働く。

ハーバード大学のイーサン・バーンスタイン准教授は「過度な監視は逆効果だ」と指摘する。

中国の携帯工場の協力を得て実験したところ、上司が常に監視できる生産ラインはそうでないラインに比べ生産性が10~15%落ちたという。

見えすぎるデータは働き手の不安を招く危険と背中合わせだ。

 別に、コンピュータを使わなくても、以下の記事みたいに「監視」が問題になるケースってのもありますし。

www.nishinippon.co.jp

だから。

従業員が「人間らしく、かつ、最もパフォーマンスを発揮できる安定した精神状態・健康状態を維持するのを支える」ような、適切な使い方を見つけるまでの試行錯誤がこれから発生してくるんだろうと思います。

でも。

難しい課題は残っているけど、間違った方向は向いていない。

そんな気はしてるのですね。

個人的には。

そして、これからどうなっていくか?

楽しみな部分でもあったりします。

今回はこんなところで。

ではでは。