"BOKU"のITな日常

62歳・文系システムエンジニアの”BOKU”は日々勉強を楽しんでます

HRTech<HR(Human Resource)× Technology>の最近の動向を少し調べてみた

今回はHRTech関連で自分が興味をもった技術について調べてみましたという話題です。

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HRTechの範囲は?

 

HRTechは「“HR(Human Resource)× Technology”を意味する造語です。

クラウドビッグデータ解析、人工知能(AI)などを使って、採用・育成・評価・配置などの人事関連業務を行う手法」の事です。

jinjibu.jp

ただ、対象範囲は、資料によって一定していません。

上記の記事のように最新技術に基づくものに焦点をあてたものと、HRTechを「ICT(Information and Communication Technology)を使っ、人事業務を行う」と定義して、1970年~80年代から展開が始まったHRMS(HRマネジメントシステム)なんかも、初期のHRTechとして扱うものがあります。 

 

人間らしく働くことと、会社の利益追求がならびたつ時代

 

個人的には「HRTech」に、HRMSを含めることには違和感を持ってます。

HRMSは以下を目的としたものでした。

  • 事務処理の効率化
  • 人事情報の管理
  • 社員の勤務状況の把握

メリットとされるものはすべて「会社の利益」です。

働く側の意識も「仕事優先が当然」という人が多かったですし。

でも。

今は違いまからね。

働く側にとって、「人間らしく働く」ことの重要性があがってます。

最近のHRTech技術は、そういう変化に対応するために開発されたものです。

だから。

技術の背景が違うHRMSと最近のものを混同するのはおかしい。

個人的にはそう思ってます。

 

HRTechで「勘と経験」を客観的判断におきかえる

 

ということで。

最近の技術のみに焦点をしぼります。

AIなどの技術進歩に従い新しい技術がたくさん生まれているわけですが、その中でも、最近自分が興味を持っているのは、「勘や経験」に頼り勝ちだった「人の適性評価」の部分を、事実とデータに基づく客観的判断に置き換えていこうという取り組みです。

例えば、

  • 採用時に入社後の活躍期待度を予測するようなアプローチ
  • 社員の情報を分析して退職リスクのある社員を予測するアプローチ
  • 各社員の仕事に対する適性を客観的に評価するアプローチ
  • 感情分析などで社員の内面を見える化していこうとするアプローチ

などがあります。

こういうことをコンピュータにさせることを嫌がる人もいますけど、自分は、とても良い取り組みだと思います。

人の感覚にゆだねるかぎり個人差とかもあって客観性や基準の統一は不可能です。

そこにテクノロジーの力で「客観的な眼」をつくり、気づきに使うのは有効です。

もちろん、最後の対応は人間がきちっとやるべきですけど、AIを人間の苦手な部分をカバーする道具に使うのは、人間とAIの有効な共存パターンだと思います。

個別に具体的なソリューション例をみてみます。

 

採用時に入社後の活躍期待度を予測するようなアプローチ

 

採用前の情報だけで、入社後の活躍期待度とか早期に退職する可能性まで予測するということで「HRアワード2019」プロフェッショナル 人材採用・雇用部門で「優秀賞」をとったこちらのソリューションとかがあります。

hr.trans-suite.jp

自社従業員と採用候補者を客観データに基づき分析するアプローチっぽいですが、着眼点が面白いなと感心してます。

一時期は、エントリーシートの分析とかをAIにさせようという流れが一気にすすみかけたように記憶してますが、アマゾンがつまづきましたからね。

blogos.com

でも、これがあったから「ダメだ」とするのではなく、コンピュータで判断させる部分と人間が判断する部分のさじ加減の問題だと考えて、すすめていくべきだというこちらの意見よりですかね・・自分は。

www.dhbr.net

 

社員の情報を分析して退職リスクのある社員を予測するアプローチ

 

近い将来に「退職するリスクのある人」をAIに予測させて、防止策をとることで退職者を削減したこちらの取り組みは素晴らしいと思います。

www.itmedia.co.jp

人事システムで収集したデータを分析して、コンディションが悪化した従業員に対する気づきとか、退職リスクを予測して、早めに手をうとうという、カオナビと楽天が組んでやろうとしている試みもあります。

internet.watch.impress.co.jp

あと、同じように「退職リスクを予測するAI」は、勤怠データだけを分析するという思い切った絞込ながら「的中率90%」を誇っているものもあったりします。

forbesjapan.com

もちろん、「絶対辞めさせない・・」みたいな労働問題になるような極端なことにしてはいけないのですが、自分の経験上、会社側が早めに気づいて適切なコミュニケーションをとらないがために、本当は辞めたくないのに退職に追い込まれたって人がいるのは事実ですからね。

 

各社員の仕事に対する適性を客観的に評価するアプローチ

 

適性検査の精度があがってきて、社員の配置異動時に客観的分析による業務への適性分析を活用する試みもあります。

最近読んだ記事のリンクです。

www.atpress.ne.jp

aizine.ai

あと、面白いなと思うのが「不適格検査」ってのもあること。

scouter.transition.jp

 

感情分析などで社員の内面を見える化していこうとするアプローチ

 

最近注目した記事だと。 

スパイ発見機開発用の10万人分のデータを使って、カメラで映像をとって分析するなどで内面を「見える化」する京浜商事さんのシステムとか。

www.nikkei.com

実際に、その分析で表面的に問題のない部下が抱えていた内面の問題を早期に対応できたなんて事例も紹介されていたりするので、かなり実用的なレベルに仕上がっているみたいで、自分も興味津々だったりします。

あと、感情分析系のいろいろなアプローチ。

www.itmedia.co.jp

声だけで分析するものとか

webempath.net

テキストで感情分析するとか

www.itmedia.co.jp

ほんと、いろいろあります。

これらのような「IT(情報技術)に脳科学や心理学などを組み合わせ、人間の心身の成長をサポートする技術」のことを「トランスフォーマティブテクノロジー(Transformative technology)」(略して、トランステック)と呼ぶらしいです。

 

HRTechの新しい流れは「人間らしく働く」方向を向いているのか

 

なんでもそうですけど。

世界中に善人しかいないのであれば、すべてのシステムは幸せを生みます。

HRTech技術も同じで、まっとうな経営者が前提なら、「人間らしく働く」方向を向く技術になりえるように見えます。

でも、悲しいかな、悪人はいますし、まっとうでない経営者もいくらでもいます。

だから、「過度な監視」になるリスクは常にはらんでいます。

日経新聞のこちらの記事とか。

www.nikkei.com

引用すると。

「上司にのぞき込まれているようで不気味だった」。

オークランドシステムエンジニア、アダム・フロリンさんは振り返る。

18年までフリーランスで働いていたが、そこで使われていたのが遠隔監視システムだ。

マウスの動きやキーボードのタッチ数は常時計測される。

10分間に1回はシャッター音とともにパソコン画面も撮られるため、何を表示させるか気をもむ必要があった。

「見られすぎて逆に集中して働けなかった」。

自由になるため、今は企業に所属して働く。

ハーバード大学のイーサン・バーンスタイン准教授は「過度な監視は逆効果だ」と指摘する。

中国の携帯工場の協力を得て実験したところ、上司が常に監視できる生産ラインはそうでないラインに比べ生産性が10~15%落ちたという。

見えすぎるデータは働き手の不安を招く危険と背中合わせだ。

さて。

これからどうなっていくか?

不安半分、楽しみ半分ですかね。

今回はこんなところで。

ではでは。