"BOKU"のITな日常

62歳・文系システムエンジニアの”BOKU”は日々勉強を楽しんでます

「しごとの思い出」のお題で、思い出した「徹夜の催事場つくり」のこと

特別お題キャンペーンで「しごとの思い出」というのを見て、ふと昔のことを思い出したので参加してみます。

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もう何十年も前の話ですが。

IT業界に転職する前の一時期、大規模小売業の正社員だったことがあります。

配属は食料品売り場でした。

食料品といっても、野菜・肉・魚・加工食品・日配品・惣菜などなど、取扱商品によって部門にわかれていて、社員は「部門」単位に配置されます。

まあ、普通の会社でいうと「食料品部加工食品課」みたいな感じでしょうか。

ある日。

自分は上司に呼び出されて、部門異動を指示されました。

加工食品にうつりなさい・・とのことです。

まあ、部門異動はよくあることなので、悩むことなく受け入れました。

ただ、

  • 明日から異動だ・・と急だったこと。
  • 前任者からの引継ぎが1時間程度しかなかったこと。

については、おかしいな・・と思ったのですが、あまり深くは考えなかったわけです。

それから数日。

いきなり大型トラックの荷台一杯の大量のチョコレートが入荷してきました。

バレンタインデーの商品でした。

正直、バレンタインデーでチョコレートが大量に売れることすら知らなかったので、驚きつつ「こんなものどこに置くのか?」と上司に聞くと、催事場に並べろとのこと。

催事場を見に行くと、業者さんが催事場に陳列什器を納品していました。

なるほど・・。

ここにあのチョコレートを並べるわけか・・と納得はしたものの、バレンタインデーの陳列などしたこともなく、入荷している商品がどんなものかもよくわかりません。

頭の中が「???」だらけになっている自分に上司が言うには。

  • 明日の開店時刻までに陳列を終えろ。
  • 前任者を含め応援はないから、一人でやれ。

とのこと。

まあ。

大型トラック1台分の商品を一人で徹夜して陳列しろ・・という指示ですから、現代なら、間違いなく怒り狂って「ブラックすぎる!!!」と騒いで、労基署にかけこむような話です。

ですが。

当時(1985年から90年第前半くらい)だと、別に驚くような指示ではく、自分も、明日の朝までに一人で並べときゃいいんですね・・と、軽く引き受けました。

で、鼻歌まじりに、やり始めたわけですが。

これがくせ者でした。

外から見ると、大きな箱に見えるのですが、開けるとその中に小さな箱がいっぱいつまっている二重構造。

とにかく、とてつもなく品目数が多く、形も不定形で陳列しづらいことこの上ない。

バレンタインデーの商品ってそんなもんですけど、なんせ、知りませんからね。

それを賞品を取り出すたびにどこに並べたらよいのか首をひねりながら陳列すべき場所をさがすわけですから・・。

当然。

陳列作業は遅々として進みません。

すぐに、夜も更け、気が付くと周囲の電気はすべて消されて真っ暗。

自分のいる一角だけ蛍光灯の光で浮かび上がっている状態で、壁の時計の針の音だけが響きます。

午前0時を過ぎ、1時を過ぎ、2時になろうとするころ。

疲れてくるし、寂しいし、なんか惨めな気分になってきて、その時ようやく「自分はハメられたのかなあ?」て考えたりしました(笑)。

とはいえ。

もう後の祭りです。

放り出して帰っても、ストックが無茶苦茶になって自分で自分の首を絞めるだけなので、それもできないし、とりあえず陳列してしまうしか道はありません。

その時思い出したのが、エンドレステープ。

これは、カセットテープなのですが、5分程度の短いもので文字通りエンドレスに繰り返して流せる優れものです。

それにラジオから何か曲を録音して、音楽でも流し続けながらやれば気分転換になると思ったわけです。

元気のでそうな曲なら何でもよかったのですが。

その時、たまたま録音したのがZARD「負けないで」という曲。

www.youtube.com

もう。

雑音だらけのひどい録音状態でしたけど、この曲がドはまりしました。

悔しいやら、情けないやらのモヤモヤした気持ちを抱えながら、機械的にバレンタインデーのチョコレートを並べていると、背中にZARDの歌声が届くわけです。

その歌詞が・・

負けないで

もう少し

最後まで走り抜けて

どんなに離れていても

心はそばにいるわ

ですからね。

もう響く響く。

いつのまにか涙が流れてて、目はかすむし、あごを伝って足元にポタポタ。

それを作業着の袖で拭うのですけど、涙はまったくとまりません。

結局、涙を流し続けながら明け方まで作業を続けて、なんとか陳列しきりました。

この経験のせいだと思いますが。

いまだに一番好きな歌は・・と聞かれると「負けないで」と答えてしまいます。

ちなみに。

出来上がった催事場は・・まあ、ひどい出来でした。

バレンタインデーのチョコレートをとりあえず棚においだだけ。

漫画なら間違いなく「ぐちゃーーー」って擬音がつく感じ。

当然。

酷評につぐ酷評でしたが、自分的には「自分のせいじゃない」と思ってるし、元々、怒られ慣れていたこともあって全然平気でした。

むしろ、そのとばっちりをうけて、上司が店視察に来た本部の人に怒られているのを見て「ざまあみろ!!」と思えたので、まあいいかな・・と。

なので。

客観的に見ると「パワハラ」「職場いじめ」に近い話なんですけど、自分的には、それほど嫌な記憶ではなかったりします。

だって、記憶に強く残っているのは「真っ暗な空間から流れてくるZARDの曲を聴いて、涙を流している自分の姿」なんですから。

なんというか。

音楽の力は偉大だと、いうことなんですかね。

はい。 

転職nendo×はてなブログ 特別お題キャンペーン #しごとの思い出

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by 株式会社Jizai「転職nendo」