"BOKU"のITな日常

62歳・文系システムエンジニアの”BOKU”は日々勉強を楽しんでます

新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA) とOSSコミュニティについて

リリースされたのをうけて、早速、スマホにインストールしました。

ボランティアで開発いただいた「COVID-19 Radar Japan」の皆様に、感謝します。

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COCOAをすぐインストールした理由

 

自分は、まず疑うことからはいる「面倒くさい奴(笑)」です。

だから、普通なら「厚生労働省が提供するアプリのプレビューリリース」とかに、手をだすことはしません。

ましてや、お役所がリリースしたものなんか(笑)。

でも。

今回の「新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA) COVID-19 Contact-Confirming Application」は、リリースされて、すぐインストールしました。

アプリを開発したのが、OSSコミュニティ「COVID-19 Radar Japan」だったからです。

lp-covid-19radarjapan.studio.design

 

気持ちの問題なんだよな

 

自分が「OSSOpen source softwareコミュニティ」を信頼する理由は簡単です。

お金とか権力とか忖度とか。

そういうしょうもないものを超越して、技術を高めて、何らかの進化や社会的意義に対して貢献していこうという純粋な熱意とか良心とかを持ってやっている人が、比較的多いコミュニティだからです。

COCOA開発者の廣瀬さんのインタビュー記事で、さらにその思いを強くしました。

diamond.jp

いくつか引用します。

医療用ソフトをつくっていた身として、医療は透明性が不可欠と思っています。

透明性が担保されたアプリがあれば、他の国でも使ってもらえるのではないかと思いました。

本当に趣味で、世界のどこかで使ってくれる人がいたらいいなあというノリで始めたんです。

 とか。

実は初期の段階で、医療向けの個人情報を取らないのかという声をかけてきた企業もあったのですが、「一切個人情報を取るつもりはない」とお断りしていました。

個人情報を取るようなアプリにすれば、企業から支援を得られたかもしれません。

しかし、日本でのプライバシーに対する意識は世界的に見ても高いです。

また、自分だったら個人情報が吸い上げられるようなアプリは使いたくありません。

自分が嫌なものをつくって、世の中にばらまくはずがない。

そのことをクリアにするために、開発過程から全て一貫してオープンに記録を残しているということが大事なのです。

とか。

私たちはお金を1円ももらわずに、ボランティアで開発しました。

たまには、そういう人たちがいるんだと信用してくれたらいいなと思います。

とか。

まさに、OSSコミュニティの良い部分が凝縮されている気がします。

なんだかんだ言っても、最後は気持ちの問題ですよ。

今の状況で、必要なアプリであることは間違いないと思いますし「個人情報を一切吸い上げない」というコンセプトも正しいと思います。

開発いただいて、ありがとうございます。

自分らは使うにあたって、感謝の気持ちとリスペクトを、まず持たないといけないなと思います。

 

政府側の対応には、ちょっと不満はあるけれど

 

とはいえ。

厚生労働省のページを見ていて、やや、違和感を感じたというのも事実です。

www.mhlw.go.jp

開発した 「COVID-19 Radar Japan」についての記述がどこにもありません。

仕様書も公開されているので、読んではみたのですが。

体制」にも以下のように書いてあるだけです。

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まあ。

この部分は仕方ないのかな・・とは思います。

厚生労働省がプロジェクトオーナーで、その開発にどんな技術を採用するかを評価して決める主体であるということでしょうし、テスト、運用にいたる責任を持ちますよ・・ということなのでしょうから。

でも。

ほぼ、まんま「COVID-19 Radar Japan」の開発したものを使っているのであれば、ページの先頭にでも、「COVID-19 Radar Japanの貢献に感謝します・・の一言くらい、いれとけよ!と思ってしまうのです。

開発者の方は「日本政府にとりあげていただいて感謝している」ということで、特に気にされていないようなので、無関係な自分が憤っても仕方ないのですが・・。

うーーん。

もう少し、OSSコミュニティに対するリスペクトというか気遣いがあってもいいんじゃないのかなあと、悲しくなります。

 

政府の広報の仕方も、もう少し考えてほしいと思った点

 

プログラムの初期リリースで、多少の不具合があがってくるのは仕方ないことです。

特に、今回はプレビュー版ということですしね。

でも。

政治家さんのコメントや、テレビのニュースを見ていると、なんかおかしい。

本来なら。

接触確認アプリ(COCOA)のプレビュー版をリリースします。

本格運用にむけての最終試験を兼ねておりますので、積極的に利用いただいて、問題点があればお知らせください。

みたいなアナウンスで、不具合の連絡先とかを積極的に知らせるべきでしょう。

なのに、実際には、まるで本リリースのように告知されてしまってます。

肝心の問題の連絡先は、QAのページにメールアドレスが書いてあるだけ・・。

www.mhlw.go.jp

一体、何がしたいの?と目を疑ってしまいます。

広報の仕方が無茶苦茶だなあ・・と思ってみてました。

案の定。

不具合があったということが騒ぎになってしまってます。

www.itmedia.co.jp

www.itmedia.co.jp

matomedane.jp

 

しかも。

不具合の内容を見ると「ほんとにテストしたの?」と疑いたくなるようなものがあります。

例えば。

適当な処理番号をいれても通ってしまった・・とか。

仕様書を見る限り、そこの部分は機能の根幹をなす部分です。

しかも、「感染者システム」というボランティア開発する側では手出しできない政府が管理しているであろう別システムとの接続が必要なところですから、結合テストレベルで一番最初にテストされるべき項目です。

しかも、適当な番号が通るか通らないとか・・。

誰でも考え付く、ごく基本的なテスト項目じゃないですか。

いくら、プレビューでも、それはないよな・・とは個人的に思います。

だから。

非難の矛先が、厚生労働省や体制に「開発実務を行う受託者」に正しく向かうなら、問題はありません。

でも、この受託者というのはOSSコミュニティじゃないですからね。

ここでいう受託者は厚生労働省からお金をもらって仕事として作業を発注されている業者のことです。

日経新聞によると、発注先はパーソル系の会社らしいですが。

www.nikkei.com

そこが工程管理を受注しているのですから、リリースにむけてのテスト計画であったりに責任を持つべき立場なのは、この発注先です。

文句を言うなら、そっちにいうべきだろ・・です。

間違っても。

善意で「世界のどこかで使ってくれる人がいたらいいなあというノリで始め」て、1円も報酬をもらわず、ボランティアで開発をしてくれた「COVID-19 Radar Japan」の方々に矛先が向かうのはおかしいです。

それだけは声を大にして言いたい。

悲しいかな。

自分のまわりにも、このへんを勘違いしている人がいます。

自分は普段、無口な方で、人の話に口をはさんだりしないのですが、この件に関しては我慢できずに、つい「その考え方はおかしいだろ!」なんて声を荒げてしまって驚かれたりしてます。

その都度。

少々、悲しい気分になったりするのです。

ではでは。