"BOKU"のITな日常

BOKUが勉強したり、考えたことを頭の整理を兼ねてまとめてます。

法定福利費という見積項目についての相談を受けたよ。

工事の見積書の「法定福利費」という項目に関して相談されて調べたので、一応書いておこうかな・・。ITとは関係ないですけど。

f:id:arakan_no_boku:20201023005847p:plain

 

きっかけ

 

マンションの役員をやっている知り合いに相談されました。

工事の見積書に「法定福利費」の項目が増えて、結構な金額になっていたそうです。

業者に問い合わせると「国土交通省から明示を指導されている項目です。工賃の16%で計算しています。この16%とは法定の率です」みたいな回答があったそうです。

そういわれると、仕方ないのかな・・とも思うのだけれど、なんか納得がいかない。

ということで、人事・給与のシステムにかかわったことがあり、社会保険料とかに詳しいということで自分がに相談してきたみたいです。

とはいえ。

自分は建設業界とは無関係です。

だから、工事の見積項目のことなど、わかるわけもありません。

ですが、まあ・・調べてみました・・というわけです。。

 

法定福利費を見積にのせる・・そもそもの話

 

法定福利費という言葉自体は別に建築業界用語ではないので、自分でもわかります。

別に新しい言葉ではありませんしね。

法定福利費とは「社会保険料の事業者負担分」のことです。

以下の表みたいな感じですね。

f:id:arakan_no_boku:20201024210612p:plain

従業員が社会保険に加入すると、社会保険料を事業者が負担することで、個人の負担を小さくする仕組みになっているわけです。

ひとつひとつは小さくても、全部集めるともとになる額の16%位になります。

これは事業主にとって、結構馬鹿にならない負担になります。

だから、小さな会社だと社会保険に従業員を加入させたがらなくなります。

今回問題になっている工事の見積に法定福利費の項目うんぬんの話は、それを是正するために、平成25年9月に始まった話みたいですね。

f:id:arakan_no_boku:20201024210158p:plain

 この図をみるに、法定福利費分を元請けに出す見積書にのせて請求していいから、建設業等に従事する労働者の社会保険への加入を推進しなさい・・という理屈です。

なるほどね。

 

見積書にのせる法定福利費をどう計算するか

 

国土交通省の資料によれば、法定福利費の計算式は以下のようになってます。

f:id:arakan_no_boku:20201024212132p:plain

法定保険料率というのは、2020年時点だと16%くらいの固定率です。

社会保険料改定で変わりますけどね。

計算式自体は簡単ですが、問題は「労務費総額」です。

実際の給与計算で事業者負担額を計算するときの元額から正確にもとめられるなら悩む必要はありません。

でも、工事の見積書に従業員の1月分をまるごと反映させられるわけではないので、、その工賃の中に含まれる労務費を都度計算で求めるのは無理があります。

なので、たいていは計算を簡単にするために「労務費率」を決めて、「工賃×労務費率=労務費」みたいな簡易的に求める方法を採用しているみたいです。

じゃあ。

労務費率ってどのくらいか?ですが・・特に決まってません。

なぜかというと、工賃には労務費以外の人件費や間接経費による原価と粗利益額がのっかっていて、その原価の内訳や利益率によって労務費率は変わるからです。

以下の図のような感じをイメージするのが、自分的にはわかりやすかったです。

f:id:arakan_no_boku:20201024214028p:plain

でもまあ。

普通に考え得れば労務費は「標準報酬月額と給与支給総額の間くらい」の金額になるはずなので、しょせんは原価の一部である人件費のそのまた一部にすぎません。

売値である工賃にしめる割合が「労務費」とすれば、それほど大きな率にはならないであろうということは理解できました。

 

あらためて相談を受けた内容を見てみる

 

ここまでで理解した内容にそって、改めて相談をうけた内容を考えてみます。

この部分ですね。

業者に問い合わせると「国土交通省から明示するように指導されている項目です。工賃の16%で計算しています。この16%とは法定の率です」みたいな回答があった

うーーん。

おかしいです。

特に、この「工賃の16%で計算」という部分・・最悪ですね。

この言葉通りだったとすると、工賃=労務費で計算していることになります。

労務費率100%です。

ありえないですよね。

だって。

こう言ってるのといっしょですから。

f:id:arakan_no_boku:20201024214330p:plain

うちは、工賃に利益はおろか、労務費以外のコストは全部損して工賃をだしてます・・・って、そんな会社が存続できるわけがありません。

ということで。

自分は建設業界のことはよくわかんないけど、資料を読んで整理した限りにおいての答えだと前置きしたうえで・・。

たぶん「ぼったくられてるんじゃないかなあ(笑)」と答えて、ここに書いたような内容を説明しておきました。

かりに、工賃が100万円で本来の労務費率が40%(だいたい、そんなもんらしい)だとした場合の法定福利費は 1000000 × 40% × 16% なので、6万4000円くらいですが、工賃×16%だったら、16万円も請求できます。

約10万円弱・・ぼろもうけだよねと伝えたので怒ってましたが(笑)。

まあ。

こんなあからさまなボッタクリを普通の企業がするとは思えませんので、知り合いの勘違いだろうと信じたいのですけど、本気で「労務費率100%で計算」と回答してたとしたら、悪気がないなら「大ボケ」ですし、悪気があるなら、相当悪質じゃないのかな・・というのが、自分が調べたかぎりの結論です。

そのあと、どうなったのか?

それは知りません。

もめてるのか、決着がついたのか?

まあ、自分には関係ないのでいいのですが、とりあえず、人の言葉をうのみにせず、自分で納得いくまで調べることをさぼっちゃだめだな・・とは思いましたね。

今回はこんなところで。

ではでは。