開発チームリーダーが「Twitterのリツイート機能の開発を後悔している」
クリス・ウェザレル( Chris Wetherell)さんは、Twitterのリツイート機能を2009年に開発したチームのリーダーだった方です。
彼がTwitterのリツイート機能の開発を後悔しているそうです。
引用すると
Developer Chris Wetherell built Twitter’s retweet button. And he regrets what he did to this day.
開発者のクリス・ウェザレルは Twitterのリツイートボタンを作りました 。
そして彼は自分がしたことを今日まで後悔しています。
なぜかというと。
“We might have just handed a 4-year-old a loaded weapon,”
・・・
The retweet and share, in other words, incentivize extreme, polarizing, and outrage-inducing content.
4歳の子供に弾の入った武器を渡したかもしれない・・"
・・・
リツイートやシェアは、言い換えれば、過激で偏向的な、怒りを煽るようなコンテンツを煽ることになる。
ということです。
善意のリツイートが結果的に「悪意」に変わる
ウェザレルさんが心を痛める理由は理解できますけど、リツイート機能って役にたってるから必要だという人もたくさんいます。
俗にいう「善意のリツイート」ってやつ。
自分も、このすべてを否定する気にはなれません。
ただ、「善意のリツイート」が暴走して、まわりまわって、悪意のあるそれよりも多大な迷惑を社会にかけたりするときもあります。
たとえば、2020/04/06の日経新聞のこの記事です。
ポイントを引用します。
騒動の発端とされたのが、2月27日午前10時過ぎに投稿された「新型コロナの影響で中国から輸入できず、品切れになる」との投稿だ。
後にデマだったと断定されたが、分析ではこの投稿そのものは全く拡散していないことが判明した。
別アカウントによる類似のデマ投稿も2件あったが、いずれもほとんどリツイートされていなかった。
一方、デマを否定する投稿は27日午後2時ごろから急増し、同日中にツイッターのトレンド上位に入った。
リツイート数が数千件に及ぶと世間の話題になった目安とされるが、今回のデマ打ち消しの書き込みはわずか半日で累計9万を超えた。
つまり、デマツィートそのものは全く拡散されず、デマを否定する「善意のツィート」が爆発的に拡散した。
そして現実に起きたことは。
実際、日経POSが示した全国のスーパーの販売状況では、デマ否定投稿の急増と同時にトイレ紙の品不足が進んだ様子がくっきり現れた。
ネット企業のエアトリによる調査では、トイレットペーパーを買いだめした9割以上が「供給に問題がない」と知っていた。理由に挙がったのはデマの流布や品薄な状況そのものだった。
だったということです。
デマツィートが目論んだであろう「混乱」を、混乱を防ごうとした善意のツィートが引き起こしてしまった・・という何とも皮肉な事件です。
そして、こういうことは割合発生してます。
代表的だと思うものだけとりあげてみると。
一部引用すると。
こうした「善意の拡散」によりデマ情報は瞬く間に広がるのである。
デマに便乗して(面白がって)情報を拡散する人はごく僅かであり、そこまで拡散力はない。
とか
救助要請ツイートもリツイートで拡散すればするほど、実際の要救助者の判別が困難になり、またデマ情報と混ざり、とにかく有象無象の情報により混乱を増すだけの結果となってしまう。
とか
地震や台風など災害時にツイッターで拡散する救助要請ですが、筆者らが2016年に発生した熊本地震に関するツイートを分析したところ、善意のコピペが救助活動に混乱をもたらしていたことが明らかになっています。
とか。
善意であれ、悪意であれ、結果的には混乱を招き、実際にリツイートが救助が必要な人の邪魔になっている事実が書かれてます。
結局のところ、使い方でしかないのですけど。
客観的に見ていくとリツイート機能は危険なのかもしれないなと、思えてはきますね。
うん。