ヒアリングの目的は、「その人が知っていて、かつ、こちらが知りたいことを正確に漏れなく話してもらうこと」です。
簡単そうですが、実は難しい。
そもそも、人の記憶は正確ではありません。
本人は正確に話しているつもりでも、実は単なる思い込みだったりします。
さらに、話すべきことか否かの判断基準が、人によって違ういます。
初めて知る人間から見た時の重要なポイントが、毎日のように業務でそれを行っている話す側から見ると「話す価値もない常識」であったりするわけです。
このへんを意識しつつ、きちんと話を引き出す。
これが簡単なわけはありません。
仕事がら、無数のヒアリングをこなしてます。
うまくいった時もあれば、失敗したなと思う時もあります。
その経験で、結果的にヒアリングがうまく行くことが多かったな・・というポイントらしきものが3つあります。
- 3人か4人くらいに絞ってで狭いスペースでする。
- ヒアリングの前に資料を読んで、可能な限り自分なりにまとめておく。
- 相手が話したことを100%真実だと信じない。
の3つです。
3人か4人くらいに絞ってで狭いスペースでする。
場がリラックスしないと、ヒアリングはうまく進みません。
大人数になったり、広い会議室でやると「自由にどんどん発言してください」なんて言っても、ごく一部の人しか話さないことになりがちです。
一部の人がどんなに自信満々に「こうだ!」と断言しても、たいてい、あとで「実は言わなかったけど、あれは本当は違うんだよね」なんて人がでてきたりもします。
実は、雑談も重要な情報です。
事前に準備した質問事項から派生した雑談の中に意外と重要な情報があったなんてことはまったく珍しくありません。
だから、雑談しやすい雰囲気を作りましょう・・ってことです。
もちろん、雑談ばかりだと進まないので、うまく話し合いをコントロールする技術も求められますけれど、広い場所・大人数で、気楽に話せない雰囲気の中ですすめるよりは、雑談ばかりの方がまだマシなくらいです。
ヒアリングの前に資料を読んで、可能な限り自分なりにまとめておく。
話のきっかけに必要だからです。
ヒアリングする相手が、そういう会議に慣れているとは限りません。
必要なことを体系立てて相手に伝えるスキルを持った人は滅多にいません。
だから「事前に資料を読むかぎり、こういうことをやっているみたいなんですけど、この理解であってますか?」という口火の質問が必要なんです。
これは、正解である必要はありません。
むしろ、多少間違えている位が、話を引き出すには有効です。
なので、可能な限り紙や電子媒体の情報をあつめて、資料ベースで事前に調べて、全体を俯瞰してポイントを押さえておいて、そういう質問ができるようにしないと、なかなか話が、あっちに飛んだり、こっちに飛んだりして、時間ばかりかかって何も聞き出せなかったということになります。
よく、「ヒアリングで相手がちゃんと話してくれないのが悪い」みたいに言う人がいますけど、やめた方がいいです。
周囲でモノのわかった人が聞いていたら、「こいつ、ヒアリングの基本も知らない痛い奴だったんだな・・」って、間違いなく思われてますから。
こうしておかないと、ヒアリングをコントロールするポイントを間違えて、漏れや見当違いが発生するリスクが増えます。
調べる時に注意したいのは枝葉の部分を見すぎないことです。全体の流れや繋がりなどの概要をできるだけ大きく捉えることが重要です。
大きく捉えることができれば枝葉の部分はヒアリングでどうせ聞けるので、忘れていいくらいです。
相手が話したことを100%真実だと信じない。
人間は勘違いもしますし、思い込みもします。
その時はそう思ってたけど、家に帰ってみたら間違いと気づいた・・なんてことは日常茶飯事です。
だから、そういうときに気楽に訂正してもらえる雰囲気作りが必要だということです。
理想を言えば。
ヒアリング→資料をまとめる→前回結果の認識あわせを兼ねた再ヒアリング・・みたいに繰り返し行って、精度をあげていくのが必要です。
実際、1回目・2回目・3回目と繰り返し同じ個所の確認をする都度、毎回ひっくり返して「前に言ったのは間違いで・・」と言い出す人が必ずいます。
これは別にその人がいい加減なのではなく、人間はそんなものだからなのです。
そんな時に怒らずに笑ってましょう。
遠回りに感じますが、結局、後になってみると手戻りがその方が少なかったりするというのは、実体験として感じてますので。
もちろん。
無駄を省く努力も必要ですけどね。
例えば、自分のメモを清書して関係者全員と共有しておくのも、有効な手になります。
ヒアリングをやった経験から、自分がポイントだと思った部分を書いてみました。
当たり前のことだったり、とりとめなかったりもしますが。
本当のことです(笑)
ではでは。