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トラブル対応に強い人に共通する5つの資質
システムの仕事を何十年もやってると、さまざまなトラブルが経験できます。
ご存じのとおり、トラブル=異常事態です。
平時に優秀だということと、異常事態に強いということはイコールではありません。
平時には優秀だけど、トラブル時には頼りにならない人もいましたし、逆に、平時には問題児なのに、トラブル対応の時だけにやたらと頼りになる人とかもいました。
トラブルに強い人の共通の資質
誰がトラブル対応に強くて、誰が弱いか?
こればかりは、トラブルに巻き込まれてみないとわかりません。
でも、何回も巻き込まれて七転八倒した経験の中で、トラブル時に頼りになったと思えた人には、ある共通の資質があることに気が付きました。
ざっと書いてみると、以下の5つです。
- 場を仕切って、「まず、落ち着け」と言える。
- 問題と原因と対策が整理できるまでジタバタしない。
- 対策が整理できたら、ビビらずに実行できる。
- どこかで、なんとかなるさと楽観的に考えている。
- 理屈ではなく、感覚で危険を察知できる勘がある。
特に重要なのは「危険を察知できる勘」です
特に最後の「理屈ではなく、感覚で危険を察知できる勘がある。」が重要です。
例えば。
翌朝の業務開始に間に合うか会わないかのリミットギリギリになって、システム障害のリカバリプログラムができあがってきたような状況で実行しようという時に、「ちょっと、待て!」と止められる人がいるわけです。
当然、なんで止めるんだ!と怒る人もいます。
それに対する答えが「なんだか嫌な感じがする・・」だったりするので、険悪な雰囲気になってもめるのですが、そこに、リカバリプログラムの作成担当者が慌てた声で「見落としがあった。実行をとめてくれ!」などと電話をかけてきたりするわけです。
もう、超能力の世界です。
それが、できる人とできない人。
この差はなんだろう?
これは長い間謎でした。
強くなるために必要な「1つ」のこと
トラブル対応に強い人に「どうやって、そのスキルを身につけたんですか?」と質問すると、ほぼ例外なく「場数」という返事が返ってきました。
場数を踏んで、身体が覚えているからできるんだ・・などと、というわけです。
なるほどね。
トラブルで場数を踏むことはできない
でも、「場数を踏む」といっても、これは、なかなかに厄介です。
言葉通りにとらえれば、トラブルの場数をたくさん踏むのが、トラブル対応に強くなる最短ルートだということになりますが、かなり無茶な話です。
場数を踏ませるためにトラブルをおこすわけにはいきません。
経験を積むまでは失敗しても良いというわけにもいきません。
しかも・・です。
もっと突っ込んで話を聞いてみると、場数を踏んで・・というのも怪しい。
そういう「トラブル対応に強い人」の多くは「トラブル対応で失敗してえらいことになった」経験を持ちません。
つまり。
最初からトラブル対応でうまいことやれているのです。
必然的に、トラブル対応に関わる機会が多くなり、結果的に場数を踏めている。
それだけの事なんですね。
そうなると。
場数を踏むことが、必ずしも「トラブル対応に強くなる」条件とは言えなくなります。
不思議なことに、トラブル対応に強い人と弱い人というのは、未経験の時点で、すでにわかれているのです。
これでは堂々巡りです。
小さな違和感にこだわる習慣こそが大切です
トラブルに強いといわれる人の場数の踏み方の共通項らしきものに気づくのに、二十年くらいかかりました。
そういう人たちに共通するのは「こだわりの強さ」なのでした。
ほんの小さな違和感。
そこを「まあ、いいや」と流さずに、明確になるまでこだわり続けるのです。
そのせいで周囲から浮いてしまうこともあるので、普段はめんどくさい人だと扱われてたりするわけです。
でも。
よくよく考えてみれば。
普段から小さな違和感があると気持ちがわるくて、はっきりするまでつきつめようとする行為自体が「トラブル対応に通じる場数」ってやつに通じるんですね。
トラブルの現場って、いわばイレギュラーの連続です。
普段の状況からみれば、大きい小さいにかかわらず違和感の塊です。
かつ、経験上、それらの違和感がすべて説明がつからないと解決しません。
なので、普段から小さな違和感を気持ち悪いと感じる感覚の持ち主が適していて、だからこそどたんばで「勘」が働く・・と考えるとしっくりきます。
なので。
トラブル対応に強い人になる「一番必要な1つのこと」。
それは
「小さな違和感や納得できない点でも面倒がらずに調べる習慣をつける」
ことだというのが、今回の自分の結論です。
今回はこんなところで。
ではでは。