"BOKU"のITな日常

還暦越えの文系システムエンジニアの”BOKU”は新しいことが大好きです。

脳を模倣したニューロチップ「TrueNorth」の進化を怖いと思う理由

IBMが開発した、ニューロチップ「TrueNorth」について思うこと・・の話です。

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コンピュータより人間の脳ははるかに優れている

 

人工知能が「凄い!」と話題になってますが、それが現在のコンピュータ上で動いている限りは、人間の脳とは、実は大人と幼児くらいの差は、まだあります。

特に差がある部分が、池谷裕二さんの本に書かれていました。 

できない脳ほど自信過剰

できない脳ほど自信過剰

 

ちょっと引用します。

ひとつは「エネルギー効率」です。スーパーコンピュータ「京」は一千万ワット以上の電力を消費します。一方、脳はわずか20ワットです。

もうひとつの違いは「自己書き換え」です。~

脳は生じた脳活動に応じて、脳自身の回路を、より最適になるように組み替えてゆきます。

一千億個もの神経回路をもつ仕組を動かすのに、わずか20ワット。

すさまじい効率です。

しかも、「脳自身の回路を、より最適になるように組み替える」のですよ

改めて、人間の脳ってすごいな・・と思います。

 

脳を模倣したコンピュータチップを作った?

 

でも、その話の中にでてくるのですが。

実はIBMが、脳を模倣したコンピュータチップを作ってしまったみたいなのですね。 

2014年~2015年位に、ひそかに話題になった「TrueNorth」がそれです。

japan.cnet.com

 TrueNorthがどんなチップかについて、説明している部分を引用します。

TrueNorthチップは、IBMのチップとしては最大となる54億のトランジスタを使用しており、プログラム可能な100万個のニューロンとプログラム可能な2億5600万個のシナプスを備えている。

1000億個のニューロンと100兆~150兆個のシナプスを持つ人間の脳には遠く及ばないが、たとえば事前に津波警報を発令する、石油漏れを監視する、あるいは海洋航路の規則を執行するといったデバイスを稼働させるには十分だとModha氏は言う。

それがすべて、わずか70mWという補聴器ほどの電力消費で実行される。

まだ、人間の脳には遠くおよばないとしても、こういうことも書かれてます。

Doherty氏によれば、TrueNorthの主な有用性は人間や動物とほとんど同じように自律的に物事を理解できるという点にあり、それゆえコンピューティングを根本的に変える可能性がある

自律的に物事を理解できる・・って、怖すぎるでしょ。

どうやら、このIBMのチップは「神経細胞に似た100万個の極小ユニットが、2億⑤000万個の人工シナプスで結合されている」という、まさしく、脳を模したチップです。

 

かなり恐ろしいんですけど・・

 

人工知能(AI)が囲碁のチャンピオンに勝とうと、監視カメラの画像から監視対象の人物を瞬時に見つけ出すことができようと、しょせん、特定分野に特化しての話です。

そもそもの仕組が全く違うので「そんなことができたからって、人間の脳はもっと凄いよ」と余裕をもっていられます。

ところが。

このニューロチップ「TrueNorth」に関しては、この論法が通用できません。

なんといっても「人間の脳を模倣したプロセッサ」です。

今は、まだまだ規模的に小さなものです。

TrueNorthの100万に対して、人間の脳は1000億ですからね。

でも、ここからの進化がこわいです。

だいたい、こういうものって一度できてしまうと、進化ははやいですからね。

これが進化した先にまっているのは、「バイオハザード」とか「ターミネータ」なんかにでてくる「人を支配しようとするコンピュータ」になる可能性だってゼロではないと考えると、これは恐ろしいことこの上ないです。

だから。

色々と、有益に利用する方法も考えられているようですが、個人的には「マジで、失敗してくれないかな・・」と思うんですよね。

 

着々と応用事例がでてきてるみたいではあります

 

自分ひとり、「失敗してくれ!」と祈っていても、世の中は無関係に流れます。

実際、時々気になってみてるのですが、いろいろ応用事例がでてきてるみたいです。

www.atmarkit.co.jp

www.atmarkit.co.jp

www.atmarkit.co.jp

ちなみに、「SyNAPS」というのはIBMが脳を模倣して開発しているニューロチップの総称で、その第二世代の商品名が「TrueNorth」というみたいです。

まだまだ、「脳型コンピュータ」「脳型SLI」「ニューロコンピューター」「ニューロシナプティック・チップ」「ニューロコグニティブ・コンピューター」などなど、名称が統一されていないので、ちょっとわかりづらいのですが、IBM以外にも、このタイプのチップを研究する企業もでてきてます。

wired.jp

TrueNorth自体もガンガン進歩をしているみたいです。

www.ibm.com

こちらから引用すると。

TrueNorthは、この数年で急激に規模を拡大しネズミの脳のレベルに達していると言われています。このチップは330mW以下の電力で1秒間に2600枚の画像認識することに成功しました。

従来のアーキテクチャーでは不可能な性能と省エネルギーです。TrueNorthが進歩を続ければ、いずれ人間の脳と同じレベルに達するかもしれません。

現在のノイマン型コンピュータで挑戦するよりもはるかに可能性は高いと感じますが、人間の脳は1000億のニューロンと100兆のシナプスが活動しています。このレベルに到達するにはまだまだ時間がかかりそうです。

ああ。

もう「ネズミの脳」レベルまでいってるんですね。

失敗するどころか、とどまることなく進化してるっぽいです。

まだまだ、時間がかかりそうですって書かれてますが、どうなんですかね。

でも。

技術の進歩を喜ぶ気にはなれず、なにより、全然、ワクワクしません。

ただただ、怖いです。

自分の子供や孫の時代の人間が、自律するコンピュータとうまく共存できるだけの知恵を身に着けて、幸せに暮らすことを、ただ祈る。

それしかできませんね。

自分には。