SE_BOKUのまとめノート的ブログ

SE_BOKUが知ってること・勉強したこと・考えたことetc

「HTML5」が廃止になったと聞くけどどういうことなのか?

f:id:arakan_no_boku:20210801224839p:plain

目次

HTML5」が廃止になったと聞くけどどういうことなのか?

HTML5は廃止された・・とちらほら聞きます。

でも、HTML5のタグや機能が使えなくなっているわけでもなければ、新しいWEB技術の話題で「HTML5」という言葉もふつうにでてきます。

自分もなにげに使ってて、「おかしい」と指摘されたこともありません。

だから、実害は何もないわけですが、なんとなくモヤモヤするので、自分なりに調べてみました。

 

W3Cが策定していたHTML5は廃止になった

W3CWorld Wide Web Consortium)は Web技術の標準化団体・非営利団体です。

HTML(HyperText Markup Language)はW3Cが管理・策定(HTML2.0くらいからだっとと思います)していて、HTML5もそうです。.。

実際、HTML5.2までは「W3C Recommendation(W3C勧告)」として、HTML5に関する仕様(ドキュメント)が公開されていました。

ところが、今年(2021年1月28日)にでた「HTML5.3」には「W3C Recommendation」の文字はなく、以下のような文章が表示されています。

f:id:arakan_no_boku:20210803160052p:plain

訳すと。

このドキュメントは廃止されており、今後の技術的作業に使用してはいけません。
代わりにHTML Living Standardを参照し、whatwg/htmlリポジトリで問題を提起してください。

となります。

これを見る限り、明らかに、2021年1月28日をもって「W3Cが策定するHTML5」は廃止・・ですよね。

 

代わりは「HTML Living Standard」

今度は、上記に書かれている「HTML Living Standard」です。

これは「WHATWG」というHTMLと関連技術の開発をするためのコミュニティが定めている標準規約です。

WHATWG(Web Hypertext Application Technology Working Group)は、2004年にAppleMozillaOperaの開発者が参加して設立し、あとからGoogleMicrosoftの開発者も参加している組織です。

その「HTML Living Standard」がこちらです。

html.spec.whatwg.org

 

HTML Living Standardは「HTML5」でもあります

この中に以下のような記述があります。

1.2 Is this HTML5?
This section is non-normative.

In short: Yes.

In more length: the term "HTML5" is widely used as a buzzword to refer to modern web technologies, many of which (though by no means all) are developed at the WHATWG. This document is one such; others are available from the WHATWG Standards overview.

 ポイントだけ訳すと。

1.2 これはHTML5ですか?
簡単に言えば、「はい」です。

もう少し詳しく言うと、「HTML5」という言葉は現代のウェブ技術を指すバズワードとして広く使われていますが、その多くは(全てではありませんが)WHATWGで開発されています。

 となります。

なるほど・・。

HTML5”を、「現代のウェブ技術を指すバズワード」ととらえれば、それらの多くはWHAWGで開発したものなのだから、「HTML Living Standard」を"HTML5"といっても間違いじゃないよ・・ということなんですね。

なんか・・個人的には・・納得できました。

W3Cが定めていたHTML規約のバージョン5という意味では廃止かもしれないけど、自分らが最新のHTMLの話をするときに、バスワードとして「HTML5」と使うのは、なんら問題はないということですね。 

それが世間的に正解なのかどうかは知りませんが、すっきりしたので良しとします。

 

個人的にはLiving Standardのドキュメントのほうが見やすいかな

ここからは余談です。

W3Cの勧告するHTML5およびそれ以降(HTML 5.1,5.2)は、WHATWGの策定する「HTML Living Standard」が基で、それにW3Cが変更を加えることで仕様の差異が生じているとWHATWGがクレームをつけてもめている・・という構図は知ってました。

なので、今回、WHATWGに一本化されてすっきり決着したのは悪いことではないなと個人的には思ってます。

それに、ドキュメントも「HTML Living Standard」の方が自分の好みです。

自分はゴリゴリのWEBデベロッパーではないので、規約のドキュメントなんかよりMDNのほうをしょっちゅう見ます。

なので、「HTML Living Standard」の中で、MDNへのリンクがさりげなくついているところが気に入ってます。

f:id:arakan_no_boku:20210803164630p:plain

とはいえ。

問題もあります。

一番は「HTML Living Standard」が巨大すぎて「日本語に翻訳」とやると異常に時間がかかることです。

有志で翻訳いただいている以下のサイトがあったりするのでいいのですけどね。momdo.github.io

今回はこんなところで。

ではでは。