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官公庁や有識者の言うキャッシュレス化を推進すべき理由にツッコミを入れてみる

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目次

キャッシュレスを推進すべき理由にツッコミをいれてみる

キャッシュレス化をもっとすすめるべきと言う人はたくさんいます。

その理由として語られているのは、ざっくりまとめるとこんな感じです。

  • 紙幣・貨幣の発行・維持にかかるハンドリングコストの削減
  • 外国人観光客向けのキャッシュレス環境の改善
  • 現金の中でもダークマネー化する比率の高い高額紙幣の廃止
  • お金の流れを把握しやすくして脱税やマネーロンダリングなどの防止

僕は「キャッシュレス」は否定しません。

自分でもよく使いますし、本当に便利です。

でも、それだけになってしまうのがいいとは思えませんし、上記の理由にもつっこみどころがたくさんあると思ってます。

 

キャッシュレス決済比率の各国比較をうのみにはできない

日本がいかにキャッシュレス化が遅れているかを示す「国別キャッシュレス決済比率」の統計データがあります。

これを見ると、確かに日本は遅れているように見えます。

 

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でも、「キャッシュレス決済比率」の計算方法が妥当かどうかは気になります。

自分で調べようとも思ったのですが、すでにこんな記事がありました。

business.nikkei.com

www.keigenzeiritsu.info

この記事の中では

私の意見としては、そもそも銀行振り込みの数字がカウントされない「キャッシュレス」は、その範囲が狭すぎると考えます。これでは事実上の「クレジットカード決済比率」です。

 従って、持ち家帰属家賃や法人向けクレジットカード決済額、銀行口座決済の多寡によって、各国の「キャッシュレス決済比率」は増減するはずです。今の各国比較を頭から信じるとミスリードを招く可能性もあります。

とありますので、頭から信じるのはやめたほうがよさげです。

 

紙幣・貨幣の発行・維持にかかるハンドリングコストの削減という理由

現金の発行コストや銀行のATM維持、現金輸送にかかる警備コストなどなど、現金にかかるコストを削減するためという理由は、なんとなく理解できます。

現金の発行コストは、たしかにそこそこ高いです。

www.jaccs.co.jp

上記から表を引用するとこんな感じ。

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でも、キャッシュレス比率があがったとしても、現金発行をゼロにはできません。

地震・台風など天災大国の日本ですから、システム障害のリスクは常にあります。

停電になったら、キャッシュレスなんて100%使えません。

そういうリスク分散を考えたら現金は必要です。

実際、キャッシュレス先進国のスェーデンでは、キャッシュレス化を急ぎすぎて、そういうトラブル局面では、かなり軋みがでているなんて記事もありますしね。

gendai.ismedia.jp

だから、現金のハンドリングコストうんぬんは、あんまり理由にならない気がするなあというのが、自分の正直なところです。

 

外国人観光客向けのキャッシュレス環境の改善

インバウンド・・つまり、外国人観光客への対応として、キャッシュレス決済できないと、不便に感じるってのは、その通りだと思います。

でも。

現在日本で普及しているほとんどのQRコード決済サービスは、海外のQRコード決済サービスと互換性はありません。

なので、PapPayなんかが使える店が増えても、海外の観光客には、なんら利便性の向上になりえません。

中国のAliPayなんかは、中国観光客の多さもあいまって、さすがに使える店は増えているようですけど、しょせんは大手だけです。

cashless-japan.net

それ以外に

  • 中国の「WeChatPay」
  • インドの「paytm」
  • インドネシアの「GOPay」
  • アメリカの「Chase Pay」、「Venmo」
  • フランスの「Lydia」
  • イギリスの「Yoyo Wallet」 
  • スェーデンの「swish

 とか各国で異なる仕組があります。

それらすべてに各店舗が対応するなんて、まあ、無理というものですし、非効率です。

だから、海外観光客の買い物時の利便性うんぬんとなれば、現実的には、VISAなどの国際ブランドのクレジットカードやデビッドカードが、どのくらいのお店で使えるか勝負なんじゃないかと思うのですが、もれ聞こえてくるキャッシュレスの話題は、やたらと「なんたらPay」のことばかり。

海外旅行客のキャッシュレス環境を整えるにはどうしたらよいか?・・という部分にはあまりフォーカスがあたってない気すらします。

まあ。

自分が知らないだけで、裏では着実に対応が進んでいるのかもしれませんけどね。

 

現金の中でもダークマネー化する比率の高い高額紙幣の廃止

1万円などの高額紙幣がダークマネー化しやすいから、キャッシュレス化をすすめることで、縮小廃止の方向にもっていく必要があるってやつです。

これも正直いって、「高額紙幣がなくなったらダークマネーはなくなる?」・・なんていわれても、イメージが全くわきません。

だって。

最近の犯罪者が好んで使うのは「仮想通貨」の方です。

仕組的に足がつきにくいですし、大量の現金を持ち運ぶコストがかかりません。

受け渡しもわざわざ会う必要がないので、リスクが少ないです。

こういう良い手段があるのに、わざわざ高額紙幣をため込んでダークマネー化しようとするなんて、昭和の生き残りの高齢者犯罪グループくらいじゃないのかなあ・・などとつい想像してしまします。

とはいえ。

そんなことに関係なく、1万円札の必要性が薄れていく可能性はありますけど。

gendai.ismedia.jp

 

お金の流れを把握しやすくして脱税やマネーロンダリングなどの防止

最後に残ったのが「脱税やマネーロンダリングなどの防止」ってやつです。

もう少しわかりやすく言えば、「税のとりっぱぐれがないように、お金の動きをつかみやすいデジタルの世界で流通させたいという政府の思惑にキャッシュレスは都合が良い」です。

最初にも書きましたが、自分は、唯一、これは納得してます。

というか、これしかないでしょう。

政府とかが推進しようとする本当の理由なんて。

結局のところ、キャッシュレス化を推進する理由なんて。

単純に現金決済より便利だからキャッシュレス決済を使いましょう。

そうしてもらうと、お金の動きがつかみやすくてお役所も助かるから、WINWINです。

で、いいんじゃないかと思うんです。

わかりやすいし。 

なのに、わざわざ、あざとい統計データを持ち出したり、インバウンドの話を持ち出したり、現金調達コストの話をもちだしたりする必要があるのかな?と思います。

今回はこんなところで。

ではでは。