"BOKU"のITな日常

62歳・文系システムエンジニアの”BOKU”は日々勉強を楽しんでます

官公庁や有識者の言うキャッシュレス化推進理由にツッコミを入れてみる

自分はキャッシュレス決済をよく使いますが、だからといって、巷で「だから、キャッシュレス化をもっとすすめるべきだ」と説明される理由すべてに納得しているわけではありません。

f:id:arakan_no_boku:20191125214807p:plain

 

はじめに

 

自分は「キャッシュレス」をよく使う人です。

最近では。

普段の買い物で、現金で支払うことは滅多にありません。

自分がキャッシュレスを使う理由は「現金より便利だから」です。

それ以上でも、それ以下でもありません。

ほとんどの人がそうではないですかね?

それなのに。

ネットの記事やテレビのコメンテータさんの話では「キャッシュレス化をすすめるべきだという理由」として、それ以外に色々な理由が語られてます。

正直。

自分としてはこじつけっぽい感じがして、ツッコミをいれたくなります。

そうなるとですね。

そんなの気にしないで、無視しておくという芸当ができない、めんどくさい性分なのでモヤモヤします。

ということで、今回はモヤモヤ解消のために「このへんがこじつけっぽく見えてるんだ」ということを書いておこうと思います。

 

自分がモヤモヤする理由とか

 

キャッシュレスをすすめるべきという理由として語られているのは、ざっくりまとめるとこんな感じです。

  • 紙幣・貨幣の発行・維持にかかるハンドリングコストの削減
  • キャッシュレス決済に慣れた外国人観光客向けのキャッシュレス環境の改善
  • 現金の中でもダークマネー化する比率の高い高額紙幣の廃止
  • お金の流れを把握しやすくして脱税やマネーロンダリングなどの防止

そして、たいては、推進すべき根拠として、日本がいかにキャッシュレス化が遅れているかを示す以下のような統計データがついてます。

f:id:arakan_no_boku:20191126220521p:plain

自分は、これらのうち「お金の流れを把握しやすくして脱税やマネーロンダリングなどを防止」以外のすべてに、なんかひっかかってます。

このあと、ひとつひとつ書いていきます。

 

国別のキャッシュレス決済比率を比較するデータ

 

まず。

日本がいかにキャッシュレス化が遅れているかを示す「国別キャッシュレス決済比率」の統計データです。

これは一見してキレイすぎるというか、政府とかが「日本が遅れているよ」と主張するのに都合がよすぎるグラフになっている点が引っ掛かります。

自分の経験上。

こういうあからさまな統計は、結構騙しのからくりがはいっているものです。

疑わしいのは「キャッシュレス決済比率」ってやつですね。

この計算対象として含まれているのが何かが、はっきりしないと、鵜呑みにしてよいか判断つきません。

さて。

自分で調べようとも思ったのですが、すでにこんなサイトがありました。

www.keigenzeiritsu.info

読むと、予想通り、怪しさ満載です。

引用していきます。

まず「分子」においては、電子マネー、クレジットカード以外に、銀行振込や電子マネーでの乗車券購入は含まれていません。
ちなみに他国では値が大きく出やすいコーポレートカードは含まれています。

とあって。

「分母」においては、電気・ガス・水道などの光熱費や住居費用といった消費の1/4を占めるとされるものが含まれています。
また、「持家の帰属家賃」(持家を借家と皆した場合に支払われるである家賃のこと)も含まれており、50兆円分あるといわれています。

となります。

普通に考えても、日本に不利になるような計算の仕方をされてます。

だから。

先ほどの経済産業省のデータでは、キャッシュレスに口座振替、銀行振込が含まれていないことを考えると、こちらのデータではキャッシュレス比率が54%であると解釈することもできます。

という解釈が書かれてますが、自分の肌感覚としては、こちらの約54%の方が信じられる気はしますね。

なので。

お店での買い物に、まだまだ現金払いを選択する人がいるのは事実だけど、それ以外の部分ではキャッシュレスがある程度浸透している・・のが、今の日本だ・・というくらいの方が正しいんじゃないかと思ってます。

 

紙幣・貨幣の発行・維持にかかるハンドリングコストの削減という理由

 

ここからは推進する理由の件です。

まず。

現金の発行コストや銀行のATM維持、現金輸送にかかる警備コストなどなど、現金にかかるコストを削減するため・・というやつです。

これも、なんとなくは理解できます。

でも。

キャッシュレスにした時のコストを試算して比較した結果として、これだけ差があるんだぞと説明してもらわないと、「ああ、そうですか」とは言えません。

キャッシュレスにすると、現金の時には発生しなかったコストがかかるのは、間違いなく、かつ、それが小さなものでないことくらい、普通に考えればわかりますから。

とはいえ。

キャッシュレスに移行したら、どの位のコストがかかるのか?なんてのを、個人で計算することはできないので、とりあえず、現金の発行コストってどのくらいなのかを、まず、こちらのサイトで見てみました。

www.jaccs.co.jp

上記から表を引用するとこんな感じ。

f:id:arakan_no_boku:20191127003121p:plain

確かに高いですが・・微妙ですね。

それに。

キャッシュレス比率があがったとしても、現金発行をゼロにはできません。

というか、なってもらっては困ります。

なんせ。

地震・台風など天災大国の日本です。

システム障害のリスクは常にあります。

そもそも、停電になったら、キャッシュレスなんて100%使えません。

リスク分散も考えたら現金は必要です。

実際、キャッシュレス先進国のスェーデンでは、キャッシュレス化を急ぎすぎて、そういうトラブル局面では、かなり軋みがでているなんて記事もありますから。

gendai.ismedia.jp

だから、現金のハンドリングコストうんぬんは、あんまり理由にならない気がするなあというのが、自分の正直なところです。

 

キャッシュレス決済に慣れた外国人観光客向けのキャッシュレス環境の改善

 

もうひとつ、よく聞くのが。

インバウンド・・つまり、外国人観光客への対応です。

たしかに。

海外からの旅行者がキャッシュレス決済できないと、不便に感じるってのは、その通りだと思います。

でも。

現在日本で普及しているほとんどのQRコード決済サービスは、海外のQRコード決済サービスと互換性はありません。

なので、PapPayなんかが使える店が増えても、海外の観光客には、なんら利便性の向上になりえません。

中国のAliPayなんかは、中国観光客の多さもあいまって、さすがに使える店は増えているようですけど、しょせんは大手だけです。

cashless-japan.net

それ以外に

  • 中国の「WeChatPay」
  • インドの「paytm」
  • インドネシアの「GOPay」
  • アメリカの「Chase Pay」、「Venmo」
  • フランスの「Lydia」
  • イギリスの「Yoyo Wallet」 
  • スェーデンの「swish

 とか各国で異なる仕組があります。

それらすべてに各店舗が対応するなんて、まあ、無理というものですし、非効率です。

だから、海外観光客の買い物時の利便性うんぬんとなれば、現実的には、VISAなどの国際ブランドのクレジットカードやデビッドカードが、どのくらいのお店で使えるか勝負なんじゃないですかね?

なのに。

漏れ聞こえてくるキャッシュレスの話題は、やたらと「なんたらPay」のことばかり。

海外旅行客のキャッシュレス環境を整えるにはどうしたらよいか?・・という部分にはあまりフォーカスがあたってない気すらします。

まあ。

自分が知らないだけで、裏では着実に対応が進んでいるのかもしれませんけどね。

この理由も「だから、キャッシュレス化をすすめなければならないんだな!」なんて考えるほどのインパクトはないなあ・・と個人的には思ってしまいます。

 

現金の中でもダークマネー化する比率の高い高額紙幣の廃止

 

もうひとつ。

1万円などの高額紙幣がダークマネー化しやすいから、キャッシュレス化をすすめることで、縮小廃止の方向にもっていく必要があるってやつです。

これも正直いって、「高額紙幣がなくなったらダークマネーはなくなる?」・・なんていわれても、イメージが全くわきません。

だって。

最近の自分の感覚では、犯罪者が好んで使うのは「仮想通貨」の方です。

仕組的に足がつきにくいですし、大量の現金を持ち運ぶコストがかかりません。

受け渡しもわざわざ会う必要がないので、リスクが少ないです。

こういう良い手段があるのに、わざわざ高額紙幣をため込んでダークマネー化しようとするなんて、昭和の生き残りの高齢者犯罪グループくらいじゃないのかなあ・・などとつい想像してしまします。

まあ、100歩ゆずって、そうだったとしても、キャッシュレスになって高額紙幣が流通しなくなったらなったで、それを狙った新たな犯罪手口や、ダークマネー化する手段が工夫されるだけで、なくなったりはしません。

きっとね。

もちろん、そんなことに関係なく、1万円札の必要性が薄れていく可能性はあります。

gendai.ismedia.jp

今の日本って、高齢者になってから一気にデジタル化がすすんだので、完全に乗り遅れた年代の人口が多く、かつ、その人達がお金を持っているので、現金のニーズは強いままですが、若い世代になると、逆にキャッシュレスが当たり前です。

現金の位置づけとして、それが使えない時のリスクヘッジとして手元に置くものと考えると「1万円札」のような高額紙幣は逆に不便に感じることが多い可能性があります。

なので、時間とともに、1万円札廃止も現実味を帯びるかもしれません。

それでも。

まだ10年・20年スパンの話だろうなと、個人的には思ってますけどね。

 

お金の流れを把握しやすくして脱税やマネーロンダリングなどの防止

 

ということで。

最後に残ったのが「脱税やマネーロンダリングなどの防止」ってやつです。

もう少しわかりやすく言えば、「税のとりっぱぐれがないように、お金の動きをつかみやすいデジタルの世界で流通させたいという政府の思惑にキャッシュレスは都合が良い」です。

最初にも書きましたが、自分は、唯一、これは納得してます。

というか、これしかないでしょう。

政府とかが推進しようとする本当の理由なんて。

結局のところ、キャッシュレス化を推進する理由なんて。

単純に現金決済より便利だからキャッシュレス決済を使いましょう。

そうしてもらうと、お金の動きがつかみやすくてお役所も助かるから、WINWINです。

で、いいんじゃないかと思うんです。

わかりやすいし。 

なのに、わざわざ、あざとい統計データを持ち出したり、インバウンドの話を持ち出したり、現金調達コストの話をもちだしたりして、ツッコミどころを作られるから、モヤモヤしてたんですね。

うん。

頭が整理できてすっきりしました。

まあ・・もともと、たいした話ではないのですけど・・(笑)

今回はこんなところで。

ではでは。