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半導体でコンピュータ回路に必要な素子が実現できる理屈を調べてみた

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目次

半導体でコンピュータ回路に必要な素子が実現できる理屈を調べてみた

電気を通す「導体」と、通さない「絶縁体」があって、その中間の性質をもったものが「半導体」だということくらいは、常識として知ってました。

でも、奥さんに「なぜ半導体でコンピュータの回路ができるか?」と質問されて、うまく説明できませんでした。

ソフト開発を仕事にしているのに、ちょっと恥ずかしいなと思って、頭の整理をかねて、さらっと知らない人に説明ができる程度に整理してみます。

微細な回路は「半導体」を使わないと実現できない

大昔の電気回路だと個別のトランジスタ、抵抗、コンデンサダイオードなんかの素子をプリント基板に配置していて、ひとつでそこそこの大きさがありました。

でも、今では、素子を直径20センチくらいの円盤上に1000素子以上(LSI)、10万素子以上(VLSI)、1,000万素子以上(ULSI)などというレベルで集積されています。

この微細な回路は「半導体」を使わないと実現できません。

ここまでは、もともと知ってましたが、自分は、なぜ「半導体を使うと様々な素子を高集積させることができるのか?」という点で詰まってしまいました。

結論から言えば「回路に必要な素子は半導体を使えば、微細なサイズで、すべて実現できるから」でした。

それが実現できるのを納得するには、半導体の性質と電気回路に必要な素子の役割・仕組みなどを知らないとダメでしたので、以下、それを書いていきます。

半導体

半導体の定義は「なんらかの手段を用いて電子の流れ(電気の流れ)を自由に制御できるもの」です。

なんらかの手段のひとつが「不純物を加える」です。

シリコンやゲルマニウムなどを例にあげます。

これらは、元々は電気を通さない「絶縁体」です。

ところが、そこに不純物を加えると電子を通す(電気を通る)ようになります。

この状態になったら「半導体」と呼ばれます。

しかも、この不純物の加え方でタイプ(型)が変わります。

不純物として電子が余分に含まれているものを加えると、「N型」になります。

不純物として電子が足らないものを加えると「P型」になります。

N型とP型では電子の流れ方が違います。

それらを組み合わせると「電界(プラス・マイナス)の向きによって電気が流れたり、流れなかったりする」・・つまり、電気の流れを制御・・ことができるようになるということなんですね。

ふむふむ。

続けて、電気回路の各素子を見ていきます。

トランジスタ(transistor)

トランジスタは、transfer(伝達)とresistor(抵抗)を組み合わせた造語です。

電流を増幅させたり、スイッチ(流したり・流さなかったり)として動作します。

例えば、増幅は、入力よりも大きいエネルギーの出力を得ることですが、それは電気を通すN型の中にP型による"壁"を設けることで実現します。

細かい仕組みはよくわかりませんが、トランジスタが2種類の半導体(N型とP型)の組み合わせだけで実現できることはわかりました。

抵抗(resistor)

抵抗・・「抵抗器」・・は、電気を通しづらくするものです。

電気を通さない・・ではなくて、通しづらい・・という点がポイントで、電気の通しづらさ(抵抗Ω)を変化させることで、回路に流れる電流を一定に保ったり、大きさを制御したり、電圧をさげたり、分けたりすることができます。。

抵抗の大きさで、電圧と電流を・・・というと、そう・・オームの法則

なんか遠い昔にならったのを、久々に思い出しました。

こいつですね。

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半導体は「電子の流れ(電気の流れ)を制御できるもの」なので、電気の通しやすさをコントロールする抵抗を半導体だけで作ることが可能なのはイメージできます。

ここもわかりました。

コンデンサ(Capacitor)

コンデンサは、電気を蓄えたり放出したりする働きをします。

直流電流をさえぎり周波数で信号をよりわけたり、ノイズを除去する働きもあります。

外から流れ込む電気をそのまま回路に流してしまうと、当たり前ですけど不安定になるのを、コンデンサにいったん電気を蓄えて、そこから回路に流すようにしたら安定させられるというのは、自分みたいな文系頭でもわかります。

コンデンサは、電気を通す導体で絶縁体を挟んだ構造になります。

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絶縁体が間にあることで、両居の電極に電気が蓄えられるわけです。

半導体はもともと電気を通さないものが原料ですから、半導体コンデンサの構造を作れることはイメージできます。

これもわかりました。

ダイオード(diode)

ダイオードは、電気の流れを一方通行にする働きをします。 

いろいろな用途に使えます。

例えば、整流機能。

一般的な電源は交流電流なので、電流の方向が常に入れ替わりますが、決まった方向にしか電気を流さないダイオードを使えば、順方向の電流のみを取り出せます。

ほかにも、ラジオなどの電波から音声を取り出したり、電圧を制御したりできます。

太陽光発電で光を電流に変えたりするのも、電気を受けて発行するLED(Light Emitting Diode)なんかも、ダイオードの仲間です。

ダイオード自体が、もともと、N型とP型の半導体を組み合わせることで、電気の流れを一方通行にできる仕組みを利用したものですから、集積回路上でその機能を実現するのは普通にできそうです。

なるほど、半導体で回路に必要な素子は全部作れるな

個別のトランジスタ、抵抗、コンデンサダイオードなどの素子が半導体を使えば実現できることは理解できました。

でも、それぞれが精密な仕組みのものでもありますから、そういうものを数十ナノメートル( 10億分の1メートル)とかの単位で配置できるのは、なんか、奇跡のようにすら思えます。

まあ。

それはともかく、この程度知っとけば、奥さんには十分説明できそうです。

今回はこんなところで。

ではでは。