温室効果ガスの問題について勘違いしていたこと
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温室効果ガスの問題について勘違いしていたこと
地球温暖化の大きなファクターである温室効果ガスと、その中心を占める「二酸化炭素」について、微妙に勘違いしていたことに気づいたので、備忘を兼ねて整理しなおしておきます。
温室効果ガス
地球から宇宙に放出される熱を吸収する働きを持つ気体が温室効果ガスです。
これで、地球は暮らしやすい気温が保たれていて、もし無くなったら30度以上気温が下がり・・ようするに超氷河期・・生き物はほぼ生きてられなくなります。
温室効果ガスには二酸化炭素、メタン、亜酸化窒素(一酸化二窒素)などがあります。
温室効果自体は亜酸化窒素が一番強く(二酸化炭素の約300倍)、次がメタン(二酸化炭素の約20倍)で二酸化炭素はそれほどでもないのですけど、空気中に存在する量が圧倒的に二酸化炭素が多いので、温暖化の問題ではやり玉にあがっています。
カーボンニュートラル
日本政府が2050年までに実現させることを目標としているカーボンニュートラルというのは「温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させる」という意味ですが、ややこしいので、ここからは温室効果ガスの大部分を占める二酸化炭素に絞ってすすめます。
そもそもの話。
二酸化炭素の放出の大部分は自然からで、人間がかかわるのは一部(一割にも満たないなどと書かれた本もありました)です。
かつ、自然界からの二酸化炭素の放出は「カーボンニュートラル」でした。
生物の呼吸や枯れ葉や動物の死骸が分解されるときに二酸化炭素が放出されても、それを植物や海のプランクトンなどが光合成に二酸化炭素を使用することで吸収しますので全体でみるとバランスが取れていたわけです。
そのおかげで、二酸化炭素は減りすぎもせず温室効果ガスの中心として地球の気温を守られていたわけなのですが、人間が「化石燃料」を使い始めてしまいました。
化石燃料は地中深く眠っていて、自然の「二酸化炭素排出・吸収」のサイクルの外にあったものですから、それを燃やして排出する二酸化炭素は完全に余分です。
排出と吸収のサイクルのバランスが取れていたところに、完全に余分な二酸化炭素を人間がバカバカ排出したら、余分が吸収されずに貯まっていくのは当たり前の話です。
だから、人間が余分に排出している分について排出と吸収のバランスをとらないといけない・・というわけなのですね。
カーボンニュートラルになっても二酸化炭素は減らない
僕が勘違いしていたのは、ここからです。
カーボンニュートラルの実現方法ではよく「化石燃料の使用を減らす」と「森林などを保護する」みたいなことがセットで語られます。
僕もなんとなくそれで良いと思っていたのですけど・・。
よくよく考えてみれば、森林保護などで向上する自然の吸収力は「自然の排出と吸収のバランス」を改善はしても、人間が化石燃料を燃やして排出する二酸化炭素まで余分に吸収する余力はないはずです。
もし自然にそんな余力があるならバランスはとれていなかったはずなので。
だから「化石燃料を燃やして排出する二酸化炭素を吸収する仕組み」を人間が作ってバランスをとらないと、実質的なカーボンニュートラルなんかできません。
さらに。
なんとかしてカーボンニュートラルを実現できたとしても、あくまで「ニュートラル」なので増加しないだけで減りはしません。
二酸化炭素はいったん放出されると約50年から200年大気中にとどまり続けるといわれていますので、仮にカーボンニュートラルが実現できても地球温暖化の問題が解決されるわけではなく、増えた温室効果ガスがとどまり続ける間、それまでと同じように気候への影響は残り続けるんだということを、僕はわかっていませんでした。
どうやったら二酸化炭素を減らせるのか
二酸化炭素の排出量以上に大気中に存在する二酸化炭素を吸収して減らす仕組みを自然に頼らずに人間が作り上げないといけない。
これは、とてつもなく難しい話です。
結局、大気中に存在する「炭素量」を減らすという話になるので、炭素を大気中ではない「地中」か「水中」に戻すしかないわけですから。
二酸化炭素を「地中」や「水中」に戻すには、二酸化炭素を個体(炭みたいなもの)や液体(高圧の条件下なら液体になるので)にしたり、二酸化炭素を吸収する別の何かに吸わせて、油田に埋め戻したり、地中深く埋めたり、海中に沈める・・みたいなことをしなければなりません。
とてつもない話だなと思って調べてみると、研究されており、実現に近づいているような情報もあり、人間の英知ってすごいなと思います。
まとめ
地球温暖化は個人的にはとてもヤバイことだと思ってます。
でも、正直、化石燃料の使用量を減らすのを、核のゴミの処理方法すら定まってない原子力発電みたいなものを使う理由にしたり、生成する過程で二酸化炭素を排出しまくっているらしい「バイオ燃料」だとか・・なんか、違うよなと思うような対策が話題としてでてくると、本当に大丈夫かと不安になります。
僕も今回調べてみて、化石燃料の使用量を減らすより重要なのは「大気中の二酸化炭素を吸収して減らすことができる技術革新」なんだと思うようになりました。
研究は進んでいるようなので、きっと、技術的には実用化レベルになると思います。
あとは経済性ですかね。
二酸化炭素を固体化して除去し、温室効果ガスを減らす仕事に、どれだけのお金を世界が払えるのか?・・と考えると、なかなか先行き暗い気もしますが、人類や地球を不幸な方向にしか導かない武器なんぞにまわす金があったら、こっちにまわせよ・・的な世論にならないものでしょうかね。
ではでは。