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自殺者数データを年齢別・原因別でまとめなおしてみた

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目次

自殺者数データを年齢別・原因別でまとめなおしてみた

自殺者数データを年代別・原因別の切り口で分析してみたら、40歳・50歳・60歳代のレンジが、今の時代一番苦しい「鬼門の年代」になっているんじゃないか・・と、そんなことを思いました・・という話です。

 

自殺者数を年齢別・原因別で分析してみる

道府県別の自殺者数を分析してみたことがあります。

arakan-pgm-ai.hatenablog.com

その時に。

  • 単純な人数だけの比較で見える世界
  • 1万人当たりの人数でみえる世界

これがが全然違うというのを体験しました。

なので。

今度は 

  • 自殺者数を年齢別の切り口で見る
  • 自殺者数を原因別の切り口で見る

とかの視点で切り取ってみようと思ったわけです。 

 

年齢別や原因別のデータはなかなか無いのでできる範囲で

年齢別とか原因別の切り口の統計データは意外にありません。。

結局、年齢別の切り口で拾えたのは、単月のデータだけでした。

かつ。

原因別にまで落とし込んだ明細データは警視庁のみの統計分しかありませんでした。

なので、それだけを使ってやってみます。

標本量がまったく足らない気はしますが、ないものは仕方ありません。

個人的な興味での分析ですし、とりあえず、やってみます。

ちなみに。

年齢別の自殺者数は「平成30年8月」の人口動態調査8-13表。

www.e-stat.go.jp

原因別は、警視庁の平成29年の139表を使いました。

www.keishicho.metro.tokyo.jp

 

自殺者における年代別比率 

年代別に自殺者数を集計しなおした上で、比率になおしてグラフにしました。

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まだ、40歳代・50歳代が一番多いです。

その次が60歳代・70歳代ですか・・。

このへんは2017年に調べたときと、あまり変わってません。

 

原因別、かつ、年代別に分析してみる

原因別・年代別に集計しなおして、全体の比率計算しなおしてをグラフにします。

元データは警視庁だけの統計です。

棒グラフは左から「20歳未満」「20歳~29歳」「30歳~39歳」「40歳~49歳」「50歳~59歳」「60歳以上」とならんでます。

60歳~69歳、70歳~79歳、80歳以上が元データで「60歳以上」にまとめられてしまっていたので、ばらせませんでした。

なので、「60歳以上」だけは年齢のレンジが広くなってしまっているので、分析結果を見てのコメントは、「60歳以上」の数値はそのまま見るのではなく、「10歳刻みに分解して比較したとしたら・・」という観点で見てます。

そこだけ補足しときます。 

 

原因別:勤務問題

まず、仕事上の問題が原因で自殺した人の中に占める年代別の割合です。

40歳代が多いです。

続く、30歳代・50歳代・20歳代はだいたい拮抗しています。

やはり、40歳代が一番仕事のプレッシャーやストレスがかかる年代なんだな・・。

一番、仕事で苦悩している年代なんだな・・とグラフが示してる気がします。

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原因別:経済・生活問題

借金とか生活苦で自殺した人の中での年代別の割合です。

こちらは50歳代以上がグンと伸びてます。

60歳以上が続いてますが、これは60歳代・70歳代・80歳代の合計になので、10歳きざみに直したら、50歳代がダントツに抜けてしまいます。

うーん。

最近の早期退職というリストラで45歳以上がターゲットにされてますし、50歳代って、親の介護とかで仕事辞めたりするケースも多い年代です。

お金がなくなって生活苦に陥り、追い詰められる・・そんな苦労が見える気がします。

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原因別:家庭問題

家庭のなんらかの問題が原因で自殺した人の中の年代別の割合です。

この辺は30歳代・40歳代・50歳代が拮抗してます。

60歳以上がぬけて見えますが、60歳代・70歳代・80歳代の広い年代レンジの合計になっているので、10歳きざみに直して基準をあわせると少し落ちます。

まあ、家族との関係で悩むのが、30歳~50歳代というのは、直観と差はないですが、なかなか厳しいなというのは変わりません。

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原因別:健康問題

健康を苦にして自殺した人の中の年代別の割合です。

これは60歳代以上がダントツです。

40歳代・50歳代の2倍*αって感じです。

ただ、60歳以上が「60歳代」「70歳代」「80歳以上」の合計であることを考慮して、10歳刻みにすると、40歳代から80歳代まで、だいたいそろう感じになると思われます。

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原因別:男女問題

男女関係・・ようするに恋愛問題を苦に自殺した人の中での年代別の割合です。

さすがに、これは20歳代がダントツです。

ただ、20歳未満がこれだけ少ないのは不思議。

多感なはずの20歳未満が少なくて、30歳代とか40歳代とかの方が男女関係のもつれで自殺してる割合が多いって、不倫とかなのでしょうか、それとも余りそういう経験をしないまま年齢を重ねてしまって耐性のない人が多いってことなんですかね。

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原因別の比率 

下記は「原因不詳」を除いた総数に占める比率を計算したものです。

原因別でみていくと、健康問題が一番多いです。

続いて、経済・生活問題、家庭問題、勤務問題の順です。

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まとめ:推測とは少し違っていたかな

僕は、分析を始める前は、「40・50代は勤務・経済関係。20代以下は恋愛関係」みたいに、原因によって年代のばらつきが大きいのではないかと想像してました。

男女関係は、まあ推測に近かったのですけど、40・50代が思っていたより、いろんな原因でまんべんなく分布してます。

こうやってみると、「40歳代・50歳代」の年代って、やっぱりいろいろと苦労があるんだな・・苦悩するきっかけが多いんだな・・、そう思えるわけです。

かなり、荒っぽい局所的な分析ですけれど、グラフをじーーっと見てると、なんか胸に迫るもんがあります。 

はい。