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PCR検査の結果をどの程度信用していいのか確認してみた
PCR検査の正式名は、Polymerase Chain Reaction:ポリメラーゼ連鎖反応です。
DNAに保持する遺伝情報を写しとって外に運ぶものをRNAといいますが、新型コロナウイルス粒子は、その遺伝情報(RNA)をタンパク質が取り囲んだ球体になっていて、
PCR検査はこのRNAを増幅して量を増やし存在を確認(検出)する検査です。
こちらの記事に詳しい手順が書いてあります。
この記事を読む限り、正確な結果を出すには、複雑な全工程において以下の3条件をすべて満たす必要があるそうです。
この時点で、すでに行われているPCR検査の精度が高いのは難しい気はします。
PCR検査の信頼度を示す指標
PCR検査がどの程度信頼できるかを示す用語から整理します。
- 感度:陽性であるものを見逃さずに判定できている割合
- 特異度:陰性であるものを見逃さずに判定できている割合
- 適合度:陽性と判定したものが正確である割合
- 有病率:対象者全体で病気にかかる人の割合
です。
こちらのサイトを参考にしました。
あと。
- 真陽性: 陽性であるものが、正しく陽性と判定された。
- 真陰性: 陰性であるものが、正しく陰性と判定された。
- 偽陽性: 陰性であるものが、間違って陽性と判定された。
- 偽陰性: 陽性であるものが、間違って陰性と判定された
もよくでてきます。
ちなみに。
で計算します。
PCR検査の感度はよくて70%!?
PCR検査は「特異度は高いが、感度が低い」方法だと書かれている記事がありました。
つまり。
- 陰性の人は、かなり正確に「陰性」と判定される。
- 陽性の人が間違って「陰性」と判断される可能性も高い
ということです。
その「低い感度」はどれくらいかというと。
50%~良くて70%
くらいらしく、以下の神奈川県医師会会長コメントの記事にもでてきますし、テレビにでてくる専門家も、よくこの数字を口にしています。
でも。
パーセンテージだけでは、ピンとこないので計算してみます。
厚生労働省の資料「新型コロナウイルス陽性者数(チャーター便帰国者を除く)とPCR検査」の「実施人数(都道府県別)【1/15~4/21】」によれば、PCR検査の陽性率(検査人数に対する陽性判定者の割合」の全国平均は10.3%です。
おおよそ、10万人検査すると、約1万3000人が陽性と判定されるということです。
間違って陰性と判定された陽性者の数は70%の場合だと、陽性と判定された人数に3/7をかければよくて、50%の場合だと5/5なので、陽性と判定された人と同数になります。
<※感度: 真陽性 ÷ (真陽性 + 偽陰性)を展開すればそうなります。>
つまり。
実際の4/21時点の全国の数字にあてはめてみれば、約5570人~1万3000人の陽性者が間違って陰性と判定されていることになります。
PCR検査って単なる目安なのか?
前段までの整理だと、信頼できる・・とは正直言い難いです。
なぜか、今回の新型コロナウイルスに関する情報はないですが、SARSコロナウイルスの時の厚生労働省の資料にもそう書いてあります。
引用すると。
RT-PCR法は、感度、検体の採取日、個人差等で偽陰性となることがあるので、陰性の検査結果はSARSコロナウイルス感染を否定するものではないことに注意していただきたい。
だそうです。
SARSコロナウイルスの時のPCR検査と今回のPCR検査で劇的に違うはずはないので、おそらく今回もそういうことなのでしょう。
つまり、PCR検査というのは、そういうものらしいです。
最近、ニュースでこういうのを良く目にします。
これらが前段で計算した「陽性なのに陰性と判定されてしまった人達」だと考えると、得心がいきます。
でも・・、ニュースでは決してそうはいいません。
忖度?なんですかね。
なんだかモヤモヤしますねえ。
ではでは。